2002年になって初めてギャロップで雪の山へ行こうと企画したツーリング。目的地は茨城県最高峰八溝山、メンツは5人となった。まずは集合場所の R349 沿いのコンビニエンスストアで昼食を仕入れる。既に水筒にお茶を入れておいたので弁当はお握りとした。バイクを放棄せざるを得ない状況を想定して編者はチョコレートを買っておいた。他の人々は水を買っておいたようである。
R349 を北上し里見村に入っても雪は見られなかった。R118 から矢祭町に入っても路面はほとんど乾いている。上田からトンネルを越えて真名畑に入るとようやく部分的に路面が凍結していた。林道に入ると、下の方は木が茂っているせいか雪はなかった。
前の4台がどんどん行ってしまったので編者はのんびり走っていた。高度が上がり始めるところで前車がばらばらに停車しているのが見えた。目の前で CRM250AR がくるっと回ったので避けようとしたら編者もくるっと回ってしまった。写真のように路面は完全に凍結しており立つ事さえ難しかった。停車した CRM250AR は一歩も動けず、助けようにも足元が滑って押すこともままならない。フロントフォークを掴んで引っ張るとようやく脱出できた。
そこで唯一の2ストである CRM250AR の後輪にチェーンを装着することにした。編者はバイクのチェーンを初めて見たが、これがそんなに効果があるようには思えなかった。しかし、いざ走り出すとあっと言う間に CRM250AR はアイスバーンを通過してしまった。完全に凍結していたのは写真に見える区間だけで北の斜面に出るまではほとんど雪はなかった。チェーンを装着したバイクはこの区間だけは大人しく走っていたようである。
高度が上がり尾根を越えて北側の道へ出ると、いよいよ道幅一杯に雪が残っていた。しかも轍はツルツルに凍っており道路中央の新雪部分を走行するのが良さそうだった。ちょっとでもタイヤが新雪から外れるとリアタイヤは際限なく滑る。あっちこっちで皆転がりながら前進する。当所2スト不利と見られていたが、チェーン装着によって水を得た魚のように走り回っていた。一旦停止すると再発進は困難を極めたが、やはり4ストセル付きの TT250R はさほど苦労することもなく通過することができた。そうはいっても調子に乗ってスピードを上げようとしたら途端に転倒し、天狗になってはいけないな、と実感した次第である。林道を通過し舗装路に出たところで、昼食にし、帰路についた。