所沢航空発祥記念館とは埼玉県所沢市航空記念公園内にある航空機の博物館である。関越道所沢 IC を降りて R463 を西進し、一車線になる手前で右折した。公園の記念館はいくつかあるが、記念館用の駐車場は北側からアプローチした。駐車場から写真の C-46A型輸送機 が見えた。これは昭和34年から航空自衛隊入間基地で使用していたものを昭和55年に設置したものだそうだ。段のついた機種が特徴的である。
記念館に近づくと写真の烈風のAR展示看板があった。前年に公開された映画「風立ちぬ」の主人公のモデルである堀越二郎氏の生涯を紹介した展示物と共に氏の設計した烈風をAR技術を用いて展示していた。前者は几帳面な筆跡の手帳と設計図が印象深かった。
航空自衛隊で練習機として使用されていたノースアメリカンT-6Gである。黄色の塗装がいかにも練習機らしい。テキサンといえば、映画「トラ・トラ・トラ」で零式艦上戦闘機として使用されていた記憶がある。
タンデムローターが特徴の陸上自衛隊の輸送機、バートルV-44である。編者の出身地である愛知県の伊勢湾台風で災害派遣に活躍したらしい。タンデムローター式ヘリコプターはは現代でも良く見掛ける。
三菱の空冷複列星型14気筒エンジンである。一式陸上攻撃機に搭載されていた二一型らしい。空冷エンジン独特の高密度のフィンの成型技術に驚嘆した。
富士重工業が陸上自衛隊向けにライセンス生産したベルHU-1B。編者には幼少期のヘリコプターのイメージがこの機体で、型番よりもイロコイスという名称が記憶にある。映画「地獄の黙示録」でキルゴア中佐がワルキューレの騎行を掛けながら攻撃するシーンが印象的だった。独特のローター音が特徴である。
ダイムラーベンツDB601を川崎航空機がライセンス生産した液冷倒立V型12気筒エンジンハ40である。倒立型であるが、逆さまにしてヘッドカバーが外された(外れた?)状態で展示されているので、タペットが丸見えである。これを搭載した三式戦のためのエンジン生産が間に合わず、設計変更して空冷エンジン金星を搭載した五式戦が予想以上に高性能な戦闘機となったのは面白い話しである。
第二次世界大戦後初の国産ジェット練習機である富士重工製のT-1Bである。当初は英国ブリストル社製のエンジンを搭載しA型とされ、展示機は国産のエンジンを搭載したB型だそうだ。機体番号 25-5856 だった。機体の手前には特別展示である烈風の説明ポスターが展示してあった。AR展示は床面に簡単な烈風の平面図が描いてあり、ソフトをインストールすればスマートフォンで実物大の烈風が画面上に再生される仕組みだった。