筑波海軍航空隊記念館とは、茨城県笠間市にある旧筑波海軍航空隊の史跡がある記念館である。2013年に公開された映画「永遠の0」でロケに使われた場所で、これを記念に一般開放された。詳細はリンク先に詳しい。
この記念館は現在の茨城県立こころの医療センターにある。2015年2月に放映された「永遠の0」のドラマを見た後にこの記念館を知り、出掛けた。常磐自動車道友部SA のスマートIC から 20分位の距離である。敷地に入って右側に駐車場があり車を停めてから記念館までは少し歩いた。地下戦闘指揮所も公開されていたが、歩くには少々距離があったので当日は記念館だけを見学した。写真はそのドラマで使われた零式艦上戦闘機のラジコンである。映画ならともかくおそらく予算の制限されたドラマでは特撮も難しいだろうから、ラジコンを使うというアイディアに感心した。実機とはいえテキサンを零戦に仕立てた映画より本物らしく見えた。塗装も素晴らしく、排気管を見なければラジコンとは思えない出来である。
ドラマのポスターが廊下の天井に吊るされていた。主演の向井理氏が飛行帽を被った姿で写っている。三夜6時間に及ぶドラマは小説の細かいエピソードまで描いていた。向井氏は主人公である宮部久蔵を演じ、そのモデルと言われる角田和男氏の資料を展示していた。
これは零戦二一型の後部胴体、垂直尾翼と水平尾翼である。ニュージーランド空軍がソロモン諸島で回収したものが民間に払い下げられ、それを大阪の個人が購入したものだそうだ。ラバウル航空隊の所属機との説明があった。ジュラルミンのボディーは白く腐食しているものの、その形を保っている。
上のラジコンの後ろに見えるケースには旧日本軍の各種軍用機の模型が展示されており、別の部屋では戦艦大和を初めとする各種軍艦の模型が展示されていた。これは戦艦大和内の零式水上観測機を主役にしたジオラマである。零式水上観測機は、速度は出ないものの格闘戦に優れた複葉機であったと言われる。
大戦末期に試作された様々な軍用機の模型が展示されていた。これはその中でもとりわけ特異な形状を持つ局地戦闘機震電の模型である。父の持っていた旧日本軍の航空機総覧でこの機体の写真を見た時には、何やら不思議な興奮を覚えたことを思い出す。最高速度 400ノットを目指したエンテ型の機体はようやく一機のみが完成し、試験飛行中に終戦を迎えた。試作機でありながら濃緑色に塗装されていたのは、そのまま実戦に投入する予定だったのだろうか。
これも末期に試作されたジェット戦闘攻撃機である橘花とロケット局地戦闘機である秋水の模型である。前者はドイツのメッサーシュミット Me262 の設計図を元に、後者はメッサーシュミット Me163 の設計図を元に開発され、共に終戦直前に試験飛行したそうである。橘花は濃緑色だが、秋水は試作機の橙黄色に塗装されている。