サーキットの狼ミュージアムとは、その昔のスーパーカーブームの火付け役である漫画「サーキットの狼」の原作者、池沢早人師氏が名誉館長を務めるスーパーカーの博物館である。茨城と千葉の県境、神栖市の小見川大橋の傍にあって土日、祝祭日のみ開館している。入ると、主人公の乗るロータスヨーロッパ、ライバルの乗るフェラーリ ディノ246GT、ポルシェ カレラRS2.7が出迎えてくれる。
スーパーカーブームの当時ですら貴重と言われたランボルギーニ ミウラP400S である。編者が眺めていたところ、係員が前後カウルを開けて内部を見せてくださった。横置きされた V型12気筒エンジンは美しく保存されていた。電気系統はオリジナルと異なり引き直されているそうである。給油口はボンネットの右側ルーバー下にあり、給油時にはルーバーのみが開くようになっている。
トヨタ 2000GT が2台も展示されており、しかも1台はオープン仕様となっている。オープン仕様は映画「007は二度死ぬ」のためにトヨタが特別に製作されてものが有名だが、これは事故を機に映画仕様を再現したレプリカだそうだ。濃紺モデルのバルクヘッドには 型式MF10 ヤマハ発動機株式会社の銘板が設置されていた。
WRC で勝つために産み出されたランチア ストラトスである。その特異な形状のフロントウィンドシールドの曲面が美しい。2012年に大磯プリンスホテルで開催されたランチアランチ2012 で往年のラリードライバー、サンドロ・ムナーリ氏の描いたサインがトランクカバー内側にあった。
ストラトスがレース車両であることを主張する後部フレーム周りである。モノコックセンターボディにフレームが接続され、エンジンとサスペンションが吊られているのが良くわかる。隣りにはレプリカで有名なホークリッジ HF2000 が展示されていた。この車両はランチア製4気筒スーパーチャージャーエンジンが搭載されているとのことだった。
他にも貴重な車両が数多く展示され、車好きにはたまらない博物館である。どの車両も丁寧に保存されており、どれも稼動車と言うから驚きである。