日本テレビのおぎやはぎの愛車遍歴の2016年4月30日の放映で石川県にある日本自動車博物館が紹介された。著名な車だけではなく、いわゆる大衆車を含めて500台の車両が3フロアに分けて展示してある。北関東自動車道、上信越自動車道、北陸自動車道と乗り継いで前日は山代温泉に宿泊した。当日は朝一番に博物館に到着した。
いすゞ ピアッツァである。どの車もナンバープレートには製造年が西暦と和暦で、製造国が漢字で表示されている。これは1985年製である。ジウジアーロデザインの流麗な3ドアハッチバッククーペのボディは今見ても新鮮である一方、エンジンとシャーシーはジェミニから流用され、今は珍しい FR である。初期は異型2灯のセミリトラクタブルヘッドライトに対し、展示車両は角型4灯となっている。また展示車両は、足周りのチューニングをドイツのイルムシャーに依頼したモデルのようだ。
スバル レオーネである。1981年製で編者が車、特に4輪駆動車に興味を持ち始めたきっかけの車両である。それまで悪路向け車両のためだった4輪駆動車から、一般乗用車向けの4輪駆動車を作り始めたスバルはこの後、レガシィ、インプレッサとロングセラーを作り続けている。展示車両はセダンではなく、ツーリングワゴンタイプだった。
三菱 スタリオンである。1985年製で FR の3ドアハッチバッククーペである。けばけばしい外装は北米市場を意識したと言われ、自社製のタービンを積むスペシャリティカーである。長岡秀星のイラストによる広告やアクション俳優のジャッキー・チェンが搭乗した車の記憶が蘇る。意外にも全日本ツーリングカー選手権に参戦した車両だったり、これをベースにした4輪駆動のラリー仕様車両が存在する。
マツダ サバンナ RX-7 である。1983年製で、世界で唯一量産化ロータリーエンジンを搭載する軽量なスポーツカーである。RX-7 の名は、この初代 SA-22C 型の後、FC3S 型、FD3S 型となって終了したが、マツダを代表する車の一つとして異論はあるまい。編者が中学生の頃に読んだ自動車雑誌の広告では、写真が殆ど無く文字ばかりで、ルマン24時間耐久レース参戦に懸ける思いを説明していたことを思い出す。
ホンダ シティ ターボⅡである。1983年製で、幅と高さがほぼ同じという背の高いボディ形状が特徴である。100ps 丁度だったターボ仕様に対して、更にインタークーラーを搭載して 110ps になったのがターボⅡで、ボンネットのバルジの形状も変更され、更にブリスターフェンダーとなった外観の違いがある。このボディを基本としたオープン仕様のカブリオレが追加されたり、ムカデダンスの CM と話題に事欠かない車種だった。
トヨタ セリカ1600GT である。1974年製で、日本のスペシャリティカーの元祖と言われ、そのボディ形状からダルマと通称される。垢抜けないデザインが多いトヨタ車の内、7代続いたセリカは何か自由さを感じさせる。この写真の車両はノッチバックモデルだが、リフトバックと呼ばれる、いわゆるハッチバックモデルもラインナップされていた。小学校の同級生の家に遊びに行った帰り、その母親に自宅まで送ってもらうのにこの車に乗せてもらったことを思い出す。
展示車両が多過ぎて、ゆっくり見て回ることが出来なかったが、次の石川県立航空プラザへ移動した。
石川県立航空プラザは石川県小松空港の傍にある航空機展示施設である。航空機の歴史、原理などの説明もあり、各種模型の展示もあった。建物の前には、写真のシコルスキーHSS-2B対潜哨戒ヘリコプターが展示してあった。水上機のような機体下部が特徴的で、機体両側にスポンソンを装備している。テイルローターブレードは外されている一方、5枚あるメインローターブレードは畳まれていた。
ロッキードT-33ジェット練習機である。F-104 と同様に、どこの展示施設にもあるありふれた機体であるということは、それだけあちこちで使用されていた証拠だろう。編者にとっても見慣れた機体であり、銀色のボディ、オレンジ色の翼端増槽が懐かしい。機体番号は 71-5321 だった。
これもまた多くの展示施設で見掛ける三菱重工 T-2 高等練習機ブルーインパルス仕様である。展示機の多くはエンジンが外されていることが多いが、この機体は装備されエンジン外観が見えるようにパネルが外されていた。機体番号は 99-5163 だった。
T-2 の傍には、アクロ・マニューバ、ブルーインパルス機3代の塗装、T-2 の豆知識をそれぞれ説明するパネルが展示されていた。