トップページへ

TT-R250 スターティングモーター交換

このページでは TT-R250 (4PXA) で交換したスターティングモーターについて詳細を記述する。


  1. 準備

    スターティングモーターの取り外しの妨げになるのは、オイルデリバリーパイプ、リアクッションリザーバータンク、クラッチケーブル、キャブレータである。4GY ではブローバイガス還元ホースも妨げとなる。TT250R のスターティングモーター交換について検索すると、カムチェーンテンショナーを外して交換するページが多く見つかるが、これを外す必要はない。そもそも作業のためにエキゾーストパイプを外す必要がある。オイルデリバリーパイプ用のガスケットを用意する。

    リアクッションリザーバータンクをずらす場所の確保のためにタンクを外すが、その前にシートを外す。フレームやスターティングモーター周辺部の泥等、汚れを落とす。オイルデリバリーパイプを外すのでエンジンオイルを抜く。抜き終わったら、忘れないうちにドレンボルトを締める。エキゾーストパイプを外すためにダウンチューブにあるエンジンマウントステーを外す。エキゾーストパイプは知恵の輪のように外し難く、シリンダー側を上に捻りながら外す。リザーバータンクを止めているバンドを外して、リザーバータンクを上の方にずらしておく。シートサブフレームを外し、キャブレータとエアクリーナのジョイントクランプを緩め、エアクリーナケースを後にずらしておく。クラッチケーブルのホルダを外す。オイルデリバリーパイプを外すと、スターティングモーターを固定している2本のボルトにアクセスできる。ブローバイガス還元ホースを 4PXA ではシリンダヘッドに接続しているが、4GY はクランクケースに接続しているので外す。作業中にゴミがエンジン内部に入らないように排気口にはウエスを詰め、オイルデリバリーパイプの接続部にはユニオンボルトを締めておいた。

    TT-R250 スターティングモーター交換の目次へ

  2. 取り外し

    スターティングモーター交換

    スターティングモーターを固定している2本のボルトの内、シリンダ側はソケットレンチを回すスペースが無いので、短めのメガネレンチで少しずつ回した。ここでスターティングモータリード線をスターティングモーター側で外したいが、ナットと共に端子が回ってしまうので、スターターリレー側の端子を外した。車体左側からスターティングモーターを軽く叩きながら、クランクケースカバーから外す。真っ直ぐスターティングモーターを引き抜こうとするとカムチェーンテンショナーに当たるが、キャブレータをずらしスターティングモーターを捻りながらリザーバータンクステーの方向に引っ張れば抜ける。スターティングモーターを取り外した状態が左の画像である。画像をクリックすると拡大する。

    TT-R250 スターティングモーター交換の目次へ

  3. 取り付け

    スターティングモータリード線を新品のスターティングモーターに取り付け、Oリングにシリコングリスを、ピニオンギアにはエンジンオイルを塗った。スターティングモーターをクランクケースカバーに差し込んだら、取り付けボルトのネジ穴を確認しながらボルトを締め込む。アース側のリード線も共締めする。オイルデリバリーパイプの取り付け時には新品のガスケットを使用し、トルクレンチを用いて既定のトルクで締める。後は取り外しの逆順に取り外したり、ずらした部品を取り付ける。全ての部品が確実に取り付けられていることを確認したら、エンジンオイルを入れる。エンジンを始動したら、オイル漏れが無いか確認する。

    TT-R250 スターティングモーター交換の目次へ

  4. スターターリレー交換

    スターターリレー交換のために、まずバッテリーとバッテリーボックスを外す。スターターリレーはゴム製のダンパーに支えられ、ステーに取り付けられている。ステー毎フレームから外し、スターターリレーを新品に交換した。各リード線端子は2つのナットで挟んで固定されており、片側のナットの固定には薄型のスパナが必要である。編者はストレート社の薄型スパナ(8×10) 11-4508 を用いた。これはスターティングモーター側のリード線端子にも使える。リレーの車体側のカプラが破損していたので交換した。この手の部品の販売は配線コムが有名だが、Unique System で住友電装 250型 逆ロック 2極用のカプラを購入し、交換した。

    TT-R250 スターティングモーター交換の目次へ