予約から宿泊まで
CLUB MAZDA のメールでこのイベント開催を知った。FAN FESTA を富士スピードウェイで開催していたことは知っていたが、スポーツランドSUGO で実施することをこの3月に初めて知った。編者の居住する茨城県日立市からは常磐道だけで行けるので、土日開催であっても前泊すれば何とかなりそうなので参加を決めた。何よりも 787B の展示とデモランに興味を持ち、早速コンビニエンスストアでチケットを購入し、宿泊するホテルを予約した。宿泊地は開催場所へのアクセスを考慮して名取市内とした。前日は早めに仕事を切上げ、17時過ぎに日立市を出発したにもかかわらず妙に日立市内で渋滞し日立中央IC に行くまで30分も掛かってしまった。途中四倉PA で夕食を摂って宿泊地に到着したのは20時過ぎ、走行距離は 204km だった。写真はイベント前日に宿泊したバリュー・ザ・ホテル仙台名取を駐車場から当日朝に撮影したものである。2階建ての客室が平面上に拡がった変わったホテルである。入口正面の駐車場に停められる台数は少なくて、建物東側にある駐車場を探すのに 20時過ぎの真っ暗の中ではいささか苦労した。到着時フロントで、団体客が居るので翌日の朝食は早めに摂ることを勧められた。翌日朝食堂に行ってみると背中に MAZDA の文字列がプリントされたブルゾンを着用した方が沢山居て、どうもこのイベントスタッフのようだった。当日ホテルを 7時前に出発し県道25 を西進し、スポーツランドSUGO に到着したのは 7時30分過ぎ、走行距離 19km だった。第2ゲートの入口が東進してきた同イベントで実施されるパレードランに参加する車両で渋滞していたが、編者はメインゲートから進入して駐車場に停めた。当日は駐車場、西コース、メイン会場を往復する巡回バスが 15分間隔で運航しており、まず西コースで開催される「人馬一体 Test Drive Experience」の整理券を取りに行くことにした。
人馬一体 Test Drive Experience
参加した「人馬一体 Test Drive Experience」を開催した SUGO 西コースのピット付近の様子である。西コースは国際公認格式のカートコースで、試乗にはちょうど良いコース長である。真ん中に写っている CX-60 はイベントとは関係なく、【MAZDA】2025 MAZDA CX-60 × レーシングドライバー 寺田 陽次郎氏 Driving Impression|MAZDA MOVIE CHANNEL の取材のために用意された車両である。
西コースを東側から眺めた様子である。「人馬一体 Test Drive Experience」に用意された車両がピットレーンに並んでいる。西コースの向こう側に本コースの最終コーナーにあるシケインが見えている。ダンロップブリッジに向かって勾配がきついことが分かる。ピットレーンの外側には青森マツダの展示車両が写っている。この写真に入らなかったが、更にその左側で東北マツダも車両を展示していた。これらの車両は整理券の配布を待っている間に続々と到着していた。
大きく分けて2グループでそれぞれ5台ずつ用意されていた。Aグループは全て ROADSTER で MT が3台、 AT が2台、Bグループは全て AT で CX-3、CX-30、CX-5、CX-60、CX-80 だった。それぞれのグループの1つのセッションは15分で9セッション、即ち90の枠があった。朝一番に整理券を取りに行った時には Aグループの枠に並んだ方がほとんど編者と同年代の如何にも昔峠道でやんちゃしてたような壮年男性ばかりだったのが何となく可笑しかった。一方、Bグループは老若男女色々な年代だった。夫婦で参加していたペアも居た。とりあえず CX-30 の枠を一つ確保した。一旦メイン会場で行って写真撮影してから CX-30 の試乗のために戻ってくると AT の ROADSTER はまだ空きがあったので午後の RF の枠をもう一つ確保した。
それぞれの試乗会では事前に参加者が一室に集められ、コースの説明、走行時の注意、免責事項について説明があった。コースについては、全部で 3周、1週目は先導車について、2周目で慣れて、3周目で自分のペースで走行する旨の説明だった。走行時の注意としては、最大速度が 60km/h、追越し禁止、前車に必要以上に接近しない、わざとペースを落として再加速するようなことはしない等だった。免責事項については保険は自身のものを用いること等だった。コースインの前にスタッフからドライビングポジションについて説明があった。MAZDA の車両を味わうためにはポジションが重要なので慎重にシート位置、ステアリング位置を決めた。
編者が午前に試乗したガソリンエンジン 2L のマイルドハイブリッドモデルの CX-30 20S Retro Sports Edition である。これのベースは MAZDA の乗車定員 5名以上の車両で 2025年現在編者が一番のハンドリングマシンと考える MAZDA3 がベースで、初期モデルには新世代ガソリンエンジン SKYACTIV-X 2.0 が搭載された車両があったが、これは SKYACTIV-G 2.0 をマイルドハイブリッドとした e-SKYACTIV G 2.0 となる。サーキット走行は初めてだったので、i-DM を意識して慎重に走行した。運転した様子は MAZDA 2 と似ていて、もう少し車両の色々な動き(特にサスペンション)が良い印象なのは MAZDA3 と同じだった。Bグループは CXシリーズだけで、せめて 1台くらい MAZDA3 があっても良かったのにと思った。
午後に試乗した SKYACTIV-G 2.0 を搭載する ROADSTER RF VS である。普段乗り慣れている MAZDA 2 とは異なり、臀部が地面にくっついているようなポジション、上からではなく、前に踏み込むようなペダル位置に違和感があった。更にブレーキペダルはレンガタッチというのかダイレクト感があって、これはこれで慣れると踏み易そうな感じだった。CX-30 よりもアイポイントが低いからロールをあまり感じず、またステアリングの応答もよりダイレクトに感じられた。西コース最後のシケインは ROADSTER の方が走り易かった。ROADSTER のグループの方が若干ペースが速く、車両の間隔も空いていたので自分のペースを作ることができた。日頃の i-DM を意識する練習が効いていると思った。
ロータリーレーシングカーデモラン
本イベントの目玉の一つであるロータリーレーシングカーデモランである。昔モータースポーツの雑誌でしか見たことのない車両がサーキットを走っているのを見るのは結構楽しかった。また、TV中継でしか見たことのない SUGO が想像以上にアップダウンが激しく、また直線が短いことを実感した。撮影位置は 2コーナーからヘアピンコーナーへ向かう所で、メイン会場に近く撮影し易いスポットである。左側の写真に写っているのは先頭から順にサバンナRX-7 IMSA GTO 254仕様、サバンナRX-7 1981年デイトナ24時間仕様、サバンナRX-7 1979年デイトナ24時間仕様、R100 ロータリークーペ、1976年式サバンナGT 片山義美仕様、郷田鈑金サバンナRX-3、サバンナRX-3 TSプライベーター仕様となる。このページを書くために検索した所、割と直ぐ該当車両が見つかって全てレプリカということが分かった。各人の車両製作、レストアの努力に頭が下がる。右側の写真はファミリア4WD 1991年1000湖ラリー仕様と思うが、これはロータリーエンジンじゃないのでは?
左側の写真は MAZDA RX-792P IMSA GTP仕様である。リンク先の情報によれば 787B と同じ R26B型4ローターロータリーエンジンを搭載しているが、排気音量規制のため最高出力は抑えられているとのことである。しかし、ピットでこの車両がエンジンを掛けた時にはとてつもなく喧しく、やはりレース車両で音量規制があったとしても別格だな、と思った。右側の写真の車両の正体が分からない。検索すると OSCAR SK85 かもという情報が見つかったが、リンク先の車両とカラーリングはともかくリアウィングの形状が異なるし、断定するに至らなかった。
スポーツランド SUGO らしい写真を撮影しようと思って、1コーナースタンドからダンロップブリッジを向いて背景に蔵王連峰を入れたものである。最終コーナーから立ち上がってきてストレートに到達するといきなり車両が出現する SUGO の特徴が良く分かる写真になったと思う。コントロールタワーに「HONDA」の文字が目立つ割りにはその下に小さく「YAMALUBE」の文字があるのは良いのか、という気持ちになる。
マツダ 787B 202号車
本イベントで一番楽しみにしていた MAZDA 787B 202号車の展示とデモランである。202号車は総合優勝した 55号車が保存されることになって、1991年後半の世界選手権と国内レース向けに製作された車両である。55号車とはオレンジとグリーンの配色が反転して、ヘッドライトが無いという違いがある。更にラジエータやオイルクーラー等の冷却系が軽量化されているとのことである。編者は 787B がルマンで優勝した頃にはあまり車に興味は無く、バイクで走ることに夢中だった時期だと思う。ルマンと言えば SA22C型 RX-7 で参戦していた頃の車雑誌で車両の写真よりも文字数が多い、如何に RX-7 の開発に苦労したかを延々と説明していた広告のことを思い出す。
午後のデモランの後にピットに戻ってきた 787B とドライバーの寺田陽次郎氏である。寺田氏は2025年で 78歳とのことだが、この写真でも姿勢が良くまるで年齢を感じさせない。先に記したように西コースを CX-60 で走行してインプレッションする記事のためにインタビューを受けたり、このページには記していないがトークショーがあったり忙しい一日だったはずだが、サーキット走行直後でも元気に歩き回って予定通り 787B を囲んで集合写真の撮影の際でも笑顔を絶やさず元気で尊敬する。自分もその年齢になってそういう風に居られるだろうか。ルマンに 29回挑戦されたのだから普段から身体の鍛え方が違うのだろう。写真右側のスタッフはルマン優勝時から今もなおメンテナンスに携わり続けているマツダ唯一のエンジニア野村裕之氏と思われる。787B がピットに戻ってくる前に氏と会話する機会があったが、787B に対する思い入れを感じた。なお、オフィシャルサイトのこのイベントの記事中、一日目の集合写真の 787Bリアウィング後方で黄色のジャケットを着て PENTAX K-1 Ⅱ を抱えているのが編者である。
MAZDA SPIRIT RACING スペシャルモデル展示
西ピットで MAZDA SPIRIT RACING の手掛ける 2025年秋に発売予定のスペシャルモデルが展示されていた。左側が 2.0Lエンジンを搭載するモデルでビルシュタイン社製車高調整式ダンパー、チタン製のマフラー、ブレーキパッドとローターの変更等のパーツ交換にトンネルブレース板厚アップによるボディ剛性向上されている。右側は 12R である。これも 2.0Lエンジンを搭載するが、カムシャフト、シリンダーヘッド、ピストン、エキゾーストマニホールドが専用とされる。更に専用設計のフルバケットシート、アルミ製タワーバー、専用ホイール装着でボディカラーはエアログレーとなる。
CX-60 Rally concept である。編者はラリーと言えばグラベルのイメージが強いが、これはターマックを豪快に走り抜けるシーンをイメージした車両だそうで、大型スポイラー、ルーフベンチレーター、6POT対向キャリパーブレーキ、バケットシート、ロールケージが目立っていた。
その他
JTCC に出場していた LANTIS のカラーリングを再現したがく氏の車両である。西コースからメイン会場に移動して最初に目に入った車両で、すかさず撮影許可を頂いた。マツダファン・サーキットトライアルに出場されたようで、このカラーリングの車両がサーキットを走っているのを見ると懐かしくなった。ブログを拝見すると LANTIS を何台か乗り継がれているようで、並々ならぬ車への愛情を感じる。V6とL4の違いはあっても最初に自分で購入した車両だから特に思い入れが深いし、この滑らかな曲面で構成されたボディは今でも美しいと思う。帰宅して二玄社 別冊CGツーリングカーバトル 1994年4月20日発行の JTCC LANTIS と見比べた所、再現度が高いと思った。
くるまふぇあ第22回でも開催していた MAZDA SPIRIT RACING による GRAN TURISMO 7 上でのタイムアタックである。今回はチャレンジしなかったが、スピーカーからロータリーの甲高い排気音が響いていたので、同じ車両を使っていたのではないかと思う。
DJ型DEMIO のセーフティーカーである。スポーツランド SUGO に常駐しているものなのか、それともこのイベント用に用意されたものなのか分からなかったが、珍しいので撮影した。改めて写真を見直すとリアバンパー下部が赤色に塗分けてあって、LANTIS のリアバンパー下部がディフューザー状に成形されていたことを思い出す。がく氏の車両で黄色となっている部分がそれである。車名のエンブレムの下に MAZDA 100TH ANNIVERSARY のステッカーが貼られている。
この手のイベントで有りがちなスタンプラリーである。子供向けと思いつつも参加してしまった。まず台紙をもらうにはMAZDA SPIRIT RACING スペシャルモデル展示場所にある CLUB MAZDA チェックインブースでチェックインする必要があった。その後はパンフレットの地図に示してある 5カ所のスタンプを押してくると、景品として写真の MAZDA SPIRIT RACINGクリアファイルがもらえた。
幾つかのショップが出展していたが、これは AutoExe の ND-07 のエンジンルームである。この写真では吸気系の変更、タワーバー、マスターバックブレースの追加が分かる。
イベントに参加するというよりか、滞在時間のほとんどはサーキットを走行する車両の撮影に費やした。巡回バスを利用したものの 13km程は徒歩だった。西コースからメイン会場への登りは距離は大したことないが徒歩には勾配がきつく草臥れた。787B を囲んだ集合写真撮影の後は、ND-07 を眺めてから、巡回バスで駐車場に戻り 15時40分に出発した。メインゲートから北上して菅生PA のスマートIC から東北道に乗った。復路は郡山JCT から磐越道、一度阿武隈高原で休憩しいわきJCT から常磐道に入って帰宅したのは 18時45分、走行距離 236km だった。
参考ページ
以上の内容は以下の情報を参考にした。
- マツダ|CLUB MAZDAのご紹介
- マツダ ニュースリリース 2025.2.6 マツダ、2025年度の参加型ブランド体験イベント「MAZDA FAN FESTA」の計画を発表—第1弾の「MAZDA FAN FESTA 2025 IN TOHOKU」は4月に開催—
- マツダ|MAZDA FAN FESTA 2025 IN TOHOKU
- スポーツランドSUGO
- "All Mazda" マツダ車イベント特集「MAZDA FAN FESTA 2025 IN TOHOKU」
- マツダ「サバンナRX-7」で憧れのル・マンスタイルを再現! 当時のボディキットを入手して最新技術で復刻した驚きのクオリティとは | AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ) 〜クルマを文化する 〜
- 【ロータリーマニア⑤】1981年デイトナ24時間仕様~ 初代サバンナRX-7(後編) - Webモーターマガジン
- 【ロータリーマニア④】デイトナ24時間で2位に輝いた77号車をレプリカ!~ 初代サバンナRX-7(前編) - Webモーターマガジン
- 自分でコツコツ仕上げたマツダ「ファミリア R100 ロータリークーペ」で長年の夢だった「スパ」を走った!…欧州のクルマ好きに伝えたかったこととは? | AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ) 〜クルマを文化する 〜
- 【ロータリーマニア③】スカイラインGT-Rの連勝記録にストップ! サバンナGT(後編) - Webモーターマガジン
- マツダ サバンナRX-3 が復活! レストア職人・駒場豊が手掛けた…東京オートサロン2020 | レスポンス(Response.jp)
- 第9回富士ツーリストトロフィーレース TT (3) リザルト | JAFモータースポーツ
- 【BGMなし‼】轟け‼13Bロータリーサウンド‼SUGOサーキットをサバンナRX-3(ワークスフェンダー)で爆走!!!!しかし・・・○○壊れたァ - YouTube
- 子供の頃に見たマツダ「サバンナRX-3」が忘れられず購入! 自宅にリフトも導入し各部のリセットもバッチリです | AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ) 〜クルマを文化する 〜
- マツダ100周年サイト|MAZDA VIRTUAL MUSEUM|写真・映像で感じる百年史 - あの時のモータースポーツ (4)|マツダ
- IMSA GTPマシン「MAZDA RX-792P」、動態で日本上陸 | MZRacing
- ルマン優勝30周年メモリアルサイト|モータースポーツ|MAZDA SPIRIT RACING|楽しむ・体験する|MAZDA 企業サイト
- マツダ787Bを支える マツダ唯一のエンジニアに密着~マツダファンフェスタ出走の舞台裏~
- マツダが「ロードスター」の限定モデル「12R」を発表【東京オートサロン2025】 【ニュース】 - webCG
- がく@323のブログ|Squadron 323F (offerings to the goddess of 323) - みんカラ
- MAZDA Fan CIRCUIT TRIAL | マツダファン・サーキットトライアル
- MAZDA SPIRIT RACING
- マツダ100周年サイト|マツダ
- Roadster(ロードスター)ND・NC・NB・NA | AutoExe マツダ車チューニング&カスタマイズ
以上の画像は全て PENTAX K-1 Ⅱ に HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR 又は HD PENTAX-D FA150-450mmF4.5-5.6ED DC AW を装着し、35ミリフルサイズ M:22M(5760 × 3840)で撮影したものである。IrfanView を用いて 300 × 200 に縮小したものを表示し、クリックして大きなサイズで表示されるのは 2880 × 1920 に縮小したものである。