はじめに
チーム大和のツーリングに参加するにあたって、コマ図を見るためのマップケースが必要となった。透明なタッパーを利用する場合が多いようだが、編者は工作好きなので WWWの 情報を参考にアクリル板を用いて自作することにした。以下はその製作記である。
参照したページ
マップケースの製作にあたって、以下に掲載するページを参照した。ページ作成者各位に感謝する。
RUSSIAN RALLY のページ 2輪用マップケースの作り方 http://www.cap360.co.jp/info/mapcase.html 軸の位置関係を参考 吉田呟新聞 二日でマップケースを作る? http://www.onmitsu.net/11/degree/01_01_28/01_28.html 構造を参考 K-Toyo’s BIKE PAGE マップケース製作記 http://www.seaple.icc.ne.jp/~toyo/mecha/mapcase.htm マップケースの固定方法 チーム大和のページ マップケースの自作 http://homepage1.nifty.com/yamatomt/bike/handmap.html 取り付けバンドの情報 市販品 有限会社 ストレート http://www.cna.ne.jp/~straight/tmk/index.html “手 巻”TMK-1 単車屋 http://www.urban.ne.jp/home/tansyaya/catalog/raid_item_005.html Raid マップケースM型 Ver3.7 ACERBIS
(株式会社オカザキ)http://www.okazaki.co.jp/acerbis/tour/0126.htm ロードブックホルダー タービュランスの通販 http://home4.highway.ne.jp/KL-650/ico.html MDマップケース 部品の入手
部品のほとんどはホームセンターで入手した。ベアリングは模型屋で、バンドは自転車屋で取り寄せた。
マップケース本体 アクリル板 透明 5mm厚と 2mm厚 アクリル棒 透明 3mm角棒 全ネジ M6 のものを 5本 銅パイプ 外径 7mm x 内径 6mm ベアリング 外径 12mm x 内径 6mm x 厚さ 4mm (TRACO製 B1-1260)、320円/個 つまみ M6ナットで留められるもの ナット M6 薄いタイプ 袋ナット M6 ワッシャ M6 蝶番 ABS樹脂製 セミパッチン 小さいもの Oリング PP50-25、内径 24.7mm x 厚さ 3.5mm 金属パテ 車用品店で売っているもの ゴム板 1mm厚 その他、アクリル用接着剤、両面テープ等を用意した。総額3,000円程度。
マウント ジュラルミン板 200mm x 300mm x 1mm、1,750円 クッションシート エーモン 1751 ネオプレンゴム 2mm厚、 マジックテープ エーモン N874 バンド キャッツアイ BS-3、250円/個 設計と組み立て
巻き取り径 40mm として、コマ図が 3コマ分 (約 90mm) 表示できるような軸配置を決定した。左に寸法図を示す。側板は 5mm 厚のアクリル板を用いた。巻き取り軸部分は径 12mm の孔を開けベアリングを圧入した。その他の軸は 径 6mm の孔を開け全ネジとナットを用いて固定した。実際の作業では各軸が並行になるように左右の板を重ねた状態で各孔を開けた。
また、側板が四角形では無駄な部分が出るので変形6角形とした。マップ折り返しの軸には銅パイプを使って紙が滑るようにした。下側の軸と巻き取り軸には Oリングをかけて巻き取り軸が振動などで勝手に回転しないようにした。そのため、Oリングがずれないようにワッシャーをはさんだ。
左にマップ折り返しの軸と下側の軸の構造を示す。左右の側板の内面幅が 160mm になるように設定した。
側板の周りは 2mm 厚のアクリル板を順番に貼り付けた。アクリル板の接着面が平になるように側板を削った。板がぴったり合わさっていれば、アクリル用の接着剤は毛細管現象で浸透する。斜めになっている部分は貼り付ける板がぴったり合わさるように削ってから接着した。
マップ折り返し軸の側の板には アクリル 3mm角棒を張り付け、蓋との接触面が大きくなるようにした。蓋との接触面にはパッキン替わりの 1mm厚のゴム板を張りつけた。蓋は開閉できるように ABS樹脂製の蝶番をとりつけ、蓋を留めるのにセミパッチンを用いた。セミパッチンの取り付けには 2mm の皿ネジを使用した。垂直の2面に金具が取り付けられるようにセミパッチンの止め具を加工した。
巻き取り軸はマップを固定しやすいように金属パテでネジ部分を埋めて使用した。
左に完成写真を示す。巻き取り軸は巻き上げ側を少し長くすると回しやすくなる。回転抑制の Oリングの状態が判るだろうか。底面にはマジックテープを貼ってバイクへの固定用とした。
左の写真にバイクへの装着状態を示す。マップケース底面と同じ大きさのジュラルミン板にバンド固定用の孔を開け、クッションシートとマジックテープを張ってバンドでハンドルのクロスバーに固定した。実際の使用には脱落防止にゴムバンドを巻いたが、結構激しい走行時でも脱落することはなかった。逆に転倒時の衝撃を考えると頑強な固定では破損する可能性もある。
LED による照明の追加
夜間走行に備え、高輝度白色LED による照明を追加した。LEDの場合、振動に強い、低消費電力、小型などいくつかの利点がある。LED に流れる電流量を制限しただけでは明るすぎて眩しくなるので、PWM による輝度調整回路を作製した。
- 参照したページ
本回路の製作にあたって、以下に掲載するページを参照した。ページ作成者各位に感謝する。
チーム大和のページ マップケース(ICO)の照明 http://homepage1.nifty.com/yamatomt/bike/mapl.html LED の設置場所 バイクDEポレポレ ライトコントローラの製作 http://www.asahi-net.or.jp/~SH5M-SKI/kousaku/polecon/polecon01.htm PWM回路 オーディオQ 10Aパルス式LED減光回路 http://www.audio-q.com/car/ly-110b.htm FET による LED のドライブ - 部品の入手
電子部品各種の入手は以下のショップを利用した。LEDはタケイムセンで10個入り900円の RIDER RI-5N3STW-60 (4900-6300mcd Vf=3.5V)を購入した。スペックシートを検索したが見つからなかった。袋には白色高輝度広角と書いてある。
- 設計と組み立て
輝度調整回路の要である PWM回路については、参照したページのリンク先に詳しい説明がある。3端子レギュレータを使用した定電流回路と比較すると、PWM回路では回路は複雑となるが、可変抵抗の回転角と輝度が比例する利点がある。3個の LED と 15mA の CRD を直列にした回路と2個の LED と 15mA の CRD を直列にした回路を並列にして点灯させた。即ち、LED の点灯回路はトータルで 30mA なのでドライブ用の FET は小型(SC-64)の 2SJ377 を使用した。
なお、回路図作製には岡田 仁史さんのBSchを使用した。
回路はユニバーサル基板を用いて作成した。回路をマップケース内に収めるために各部品は寝かせて高さを抑えた。また、調整し易くなるように半固定抵抗は片側に寄せた。
写真は完成した PWM回路をマップケース内に収めたものである。実体配線図とは上下逆なので注意されたい。左上に 2SJ377、中央に TC4011、右上に青い半固定抵抗が見える。この回路を収めるために、マップケース組み立ての項で説明した下側の軸は取り外した。
写真は完成したマップケースの全体図である。LED は巻き取り軸間の中央よりやや上側に設置した。LED は交互に上下を向くように配置した。つまみの間に回路の電源スイッチが見える。輝度調整回路なしに LED を発光することもできる。
LED の設置によって若干巻き取り径は 40mm よりも小さくなったが、1ページ当たり A3 版1/2を縦方向に使うチーム大和のコマ図では 17ページを巻いても若干余裕があった。
- 参照したページ