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WonderSwan と GARMIN (eTrex Venture) との接続
《通信ケーブル編》


  1. はじめに

    参照したページで述べられているように、GARMIN 単体で記録できるトラックには限界があり、詳細な走行軌跡を残したい場合には不満が生じる。これを補うためには、トラックが一杯になるたびに外部記憶装置に保存するか、ロガーを接続する方法が考えられる。そのために HP200LXCASIO A-60CASIO E-65 などを使用してきたが、携帯するには大きすぎる、電池の持ちが悪い、というような理由で今一つ快適とは言い難い環境であった。特にバイクで使用する場合には転倒によるそれら機器の破損の心配がある。GPS のページで述べたように、WonderSwan はそれらの欠点を充分補ってくれるハードウェアスペックを持つ。また、WonderSwan 上で外部記憶装置保存やロガーの機能を持つソフトが開発されている。それらのソフトの使用法などについては GPS のページの WonderSwan の使用の項目を参照のこと。本ページでは WonderSwan と GARMIN を接続する方法について述べる。

    なお、本ページに掲載されている内容は各メーカの保証対象外の行為であることを承知の上、各位の自己責任で利用されたい。本ページの内容によって各位が受けたトラブルなどに対し編者は一切責任を負わない。

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  2. 参照したページ

    WonderSwan と GARMIN を接続するにあたって、以下に掲載するページを参照した。ページ作成者各位に感謝する。

    中村浩明さんのページWW で GARMINhttp://www.pluto.dti.ne.jp/~nak/
    gigo さんのページGPS TRACK LOGGER for WonderWitchhttp://homepage1.nifty.com/gigo/wonderwitch/logger.html
    中澤和夫さんのページWonderSwanでGPSのTrack Logを保存するhttp://www.valley.ne.jp/~kazuo/gps/test_index/gar2ws/gar2ws.htm
    Nori-chan さんのページWonderWitchでWonderSwanをGPS Loggerにhttp://www.ne.jp/asahi/gps/nori/Other/WonderSwan/WonderSwan.html
    鈴木康之さんのページワンダースワンでフライト記録http://www.pluto.dti.ne.jp/~suzuki-y/tsukiai/tsuki08.html

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  3. 部品等の入手

    Garmin と WonderSwan を接続するにあたって入手した部品、購入方法は以下の通りである。

    名称購入方法備考
    WonderSwan(白黒)近所のリサイクルショップや中古ゲーム屋\780~\2,000程度。新品を\2,980で売っていたのを見たこともある。(2002年2月現在)
    WonderWitchぷらっとオンライン本体のみ\16,800他に送料がかかる。
    通信ケーブル近所の電器店\1,350
    ePlug株式会社システムプロデューサアソシエイツの通販モールドが黒のもの。色によって構造が違うようだ。
    D-sub 9Pinメスコネクタ
    とカバー
    近所の電子部品店
    3.3Vのツェナーダイオード近所の電子部品店
    2.2kΩ 1/4W の抵抗近所の電子部品店

    WonderSwan 本体は日中の視認性と電池の持続時間を考えて白黒モデルとした。WonderWitch カートリッジのみ入手も可能だが、Freya OS を最新のものにするためには WonderWitch を購入しユーザー登録する必要がある。2002年4月より WonderWitch から開発環境を除いた安価な WonderWitchプレーヤーが発売されており、Freya OS を最新のものにすることも可能となっているので、これも選択肢だろう。2002年2月現在 Freya OS は Ver.1.1.4 が最新である。ePlug は3つの部品からなるが、色によって中央部分の構造が異なるらしい。黒モールドモデルはピン同士の接触の心配が少ない利点がある。

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  4. 組み立て

    WonderSwan Connector

    購入した通信ケーブルは真ん中で切断し、それぞれを用いて GPS と PC との接続ケーブルを作成した。勿論 WonderWitch を購入すると PC との接続ケーブルは付属するが、携帯性に優れた短い専用ケーブルを自作することにした。右図に WonderSwan のコネクタを示す。これは WonderSwan にコネクタを接続し液晶面を上にして WonderSwan 側からコネクタを眺めた時のピン番号を示している。この番号の順は前述の中澤和夫さんのページによるものである。編者のものは1番ピンは黒色、2,3番ピンはそれぞれ赤色または白色のリード線に接続されていた。接続前に必ずテスターで結線は確認されたい。また、以下に説明する回路は簡易的な回路であることに注意し、各自の責任で利用されたい。

    • WonderSwan ↔ Garmin eTrex Venture 接続ケーブルの作成
      WonderSwan - Garmin eTrex Venture 接続ケーブル

      右図のような回路を作成した。抵抗、ダイオードは ePlug内に収めることができた。

      1. コネクタのピンをそれぞれ80度程度曲げた。
      2. スズめっき線、抵抗、ダイオードをそれぞれ Rxピン、Txピン、-ピンに半田付けした。
      3. ePlug の真ん中の部品に各ピンを通し ePlug のコネクタ面の部品を仮止めした。
      4. 抵抗、ダイオードの足を曲げて抵抗とダイオードを接続した。抵抗は図のように-ピンを回り込むように曲げると収まりが良かった。もちろん事前に各足が接触しないように熱収縮チューブで絶縁した。
      5. ケーブルの各リードを接続し、ePlug のふたを取り付けて完成。
    • WonderSwan ↔ PC 接続ケーブルの作成
      WonderSwan - PC 接続ケーブル

      左図のような回路を作成した。D-sub 9Pin のカバーは大きいので抵抗やダイオードを収めるのは充分余裕があった。

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  5. WonderSwan と PC との通信

    実際に使用するにはソフトのインストールとログの転送のために WonderSwan と PC との通信が必要である。

    • 基本的な WonderSwan と PC との通信方法

      WonderWitch には TransMagic という PC と WonderSwan でファイルの転送を行うソフトが付属しているが、編者は Tera Term Pro というターミナルエミュレーターを使用している。WonderSwan では ZMODEM ファイル転送プロトコルをサポートしているものなら使用可能である。ソフトのインストールは PC 側にあるファイルを WonderSwan 側のプログラムエリアに転送するだけであるし、ログも WonderSwan 側より PC 側に転送するだけである。

      1. 上で作成した WonderSwan ↔ PC 接続ケーブルの作成 を用いて、WonderSwan と PC を接続する。
      2. Tera Term Pro を起動し、[Setup][Serial port]から各値を次表のように設定する。
        Port:COM 1
        Baud rate:38400
        Data:8 bit
        Parity:none
        Stop:1 bit
        Flow control:none
        もちろん Port は WonderSwan と接続するためのシリアルポートを指定する。
      3. WonderSwan を Bキーを押しながら電源を入れ、モニターモードで起動し、[Setup][Buadrate] から 38400 を選択、[OK][Exit] で再起動する。なお、この操作は初回のみ必要で、以降はY1、Y4キーを押しながら電源を入れシンプルモードで操作する。
      4. Y2 キーを二回押して通信画面にし、ソフトのインストールなら Bキーのメニューで [XM受信] を、ログの転送なら Xキーで転送するファイルを選択してから Bキーのメニューで [XM送信] を選択する。
      5. ソフトのインストールの場合には、Tera Term Pro の [File][Transfer][XMODEM][Send] で開くダイアログから必要なファイルを選択する。
      6. ログの転送の場合には、Tera Term Pro の [File][Transfer][XMODEM][Receive] で開くダイアログで適当なファイル名を入力する。ここでファイル名には XXX.tdf.fx のように .tdf.fx と書くことが重要である。
      7. Y2 キーを二回押してファイル画面にする。
      8. ログを転送したら Bキーのメニューでファイルの [削除] を行う。
      9. Bキーのメニューで [Pせいとん] を実行しないと、プログラムエリアの実残り容量は増えない。
    • 簡単に WonderSwan に各種ソフトをインストールまたはログの転送

      上述の方法では作業が複雑なので gigo さんの作成した WonderSwan ファイル転送用マクロファイルを利用すると簡単になる。ファイルの削除や [Pせいとん] も自動で実行してくれる。まず Tera Term Pro と WonderSwan の設定は上述と同様にしておく。

      準備
      1. Tera Term Pro のヘルプの下の方にあるMACRO ヘルプ"TTL" ファイルを MACRO に関連付ける方法に従って、ファイルの関連付けを行う。
      2. マクロファイルを gigo さんのページからダウンロードし、解凍して生成する CopyToWW.ttl と Get_GPS_Log.ttl を適当なディレクトリにコピーする。
      プログラムのインストール
      1. マクロファイルのあるディレクトリに rom0 と ram0 の2つのディレクトリを作成する。
      2. 転送したいプログラムを rom0 ディレクトリにコピーする。
      3. WonderSwan を Y1、Y4キーを押しながら電源を入れるとシンプルモードで起動する。
      4. Y2 キーを二回押して通信画面にする。
      5. CopytoWW.ttl ファイルをダブルクリックするとファイル転送と [Pせいとん] を自動実行する。
      ログの転送
      1. WonderSwan を Y1、Y4キーを押しながら電源を入れ、シンプルモードで起動する。
      2. Y2 キーを二回押して通信画面にする。
      3. Get_GPS_Log.ttl ファイルとダブルクリックするとログファイル xxx.tdf.fx の転送と [Pせいとん] を自動実行する。
    • TransMagic を使用した方法

      佐藤 正昭さんのページに詳しい説明があるので参照されたい。

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