アルミクラッチレリーズシリンダー
イタリア人向けということなのだろうか、DUCATI のクラッチは概して重いらしい。S4 も例外ではなくストック状態では握力の弱い編者にとってはとても握れたものではない。信号待ちや渋滞を考えると、とても町の中を走る気にはならない。そこで AELLA のアルミクラッチレリーズシリンダーを装着した。これはギャロップお勧めのパーツである。併せて、クラッチスプリングも交換した。装着すると、これが本当に同じバイクか、というくらい軽くなる。感覚的には SRX と同じくらいだろうか。
ラジエータースクリーン
S4 は巨大なラジエーターが装備されているが、コアのガードはない。一般道を走るには小石や虫の衝突が心配なのでライダースクラブ製のラジエータスクリーンを装着した。装着にはラジエーター支持部のボルト孔を使用する。ハニカム状メッシュのステンレス薄板製で、向かって左下に "desmoquattro S4" のロゴが入っている。'02 モデルはロアーブラケットにラジエーターへの導風板が取り付けられているが、クリアランスはギリギリである。
ユーロ・ブルーミラー
SRXに装着していたミラーをステーをロングに交換して S4 に移植した。2002年モデルは右側(ブレーキ側)のミラーステー取付け部は逆ネジなので注意したい。純製のミラーはミラー面が直径 115mm、装着したスクウェアタイプは横 144mm、高さ 80mm で、それぞれ見える範囲が異なる。また純正のミラーはつや消し黒の樹脂製、装着したミラーはメッキ製で好みが分かれるところである。
カーボンスプロケットカバー
S4 は前後フェンダー、タイミングベルトカバー、サイドカバーがカーボンパーツである割には、スプロケットカバーは樹脂製で質感に乏しい(クラッチレリーズシリンダーの写真参照)。何とかしたいと考えていたところに以前 900SL に乗っていた方から写真のような CUCCIORO 製のカーボン・スプロケットカバーを譲って頂いた。クラッチレリーズシリンダーを交換しているので、カバーが当たるかと思われたが、問題無かった。割れないように取付けにはナイロンワッシャー(取付けボルトの下に白く見えている)をかました。
ハンドルスペーサー
S4 は Monsterシリーズの特徴であるバーハンドルではなく、セパレートハンドルである。ハンドルの高さはともかく絞りが少ないから、上体はハンドルに覆い被さるようなポジションになる。通常グリップによって小指の付け根に肉刺ができるものだが、編者の場合 S4 に乗るようになって人差し指の付け根にも肉刺ができるようになった。
ポジションの改善のために各社からバーハンドル化するキットが販売されているが、編者は S4 の特徴であるセパレートハンドルのままにしたいと考えた。GUZZI SPORT JINKUSHI から MOTO GUZZI V11 SPORT のハンドルを利用したキットはトップブリッジ下にクランプするため絞りが調整可能なのは良いが、ノーマルよりも 50mm 低くなるのでステップを交換する必要があると思われる。そこで編者は KAZU Motorcycle製の S4専用ハンドルアップスペーサーを選択した。厚みは 15mm 、ホースやハーネスは交換せずに装着可能だが、メーターパネルのステーを兼ねているノーマルハンドルの一部分を削る必要がある。編者はギャロップに作業をお願いした。
装着によって高さも上がったが、その分手前にハンドルが来ることになる。ノーマルと比べて大きな変化のないポジションであり、若干楽になったように思う。
アップタイプチタンサイレンサー
バイク購入時に 10万円の商品券がついてきたので、それを利用して DUCATI PERFORMANCE の TERMIGNONI製楕円型アップタイプチタンサイレンサーを装着した。サイレンサー本体、エキゾーストパイプ、カーボン製ヒートガード、ステー、インジェクションコントロールユニット、エアフィルターがセットになっている。S4 はカーボンパーツが多いのでチタン材質を選択した。日本製に比べると説明書は随分不親切で、部品表は付けておいて欲しかった。
サイレンサーやエキゾーストパイプの取り付け自体はそれほど難しいことはない。ステーの取り付け部がちょっと面倒である。右の写真のようにエキゾーストパイプが通るようステップホルダーを外側にオフセットするスペーサーを装着する。この時、スタンド取り付け部分のボルトを外すことになるので、レーシングスタンド等でバイクを支持した方が安全だろう。また、シフトペダルのリンケージの取り回しが変更されミッション側のリンクは裏返して装着することになるが、これによってリンク取り付けボルトが締めにくくなるので注意すべきである。インジェクションコントロールユニット交換によってイモビライザー動作のためにキーに新たなIDコードを登録する作業で赤いキーが必要となる。エアフィルターは吸入量増加のために開口部が大きくなる(というか、開放状態になる)ので雨対策が必要かも知れない。
さて、ノーマルではどっしりとしたリア周りも、アップタイプということでかなり軽快な感じとなった。実際軽量化による取り回しの軽さが体感できるくらいである。走行してみると若干エンジンブレーキの効きが弱くなり、低中速の繋がり具合がスムースになったように思う。排気音は低音が響くようになり、相当勇ましくなってしまった。周囲に迷惑をかけないようにしたい。まあ、DUCATI らしいといえばその通りなのだが。
排気音が勇ましいのも恥ずかしいので、写真の TERMIGNONI製 の消音バッフルを装着した。排気口が水平になるようにサイレンサー本体に対して排気口は斜めになっているので、このバッフルの出口も斜めになっており、本体の排気口にぴったりはまる。装着には本体の排気口に穴あけが必要となるので、編者はギャロップに作業をお願いした。この形状から想像がつくように消音効果は著しい。体感的にはノーマルサイレンサー以下であろうか。
MICHELIN Pilot ROAD
ミシュランのツーリング向けより少しスポーツ向けにふったタイヤ。当然ラジアルタイヤ対応、フロント 120/70-ZR17 、リア 180/55-ZR17 が指定タイヤサイズ。納車時にピレリの Dragon Evo Corsa というタイヤが装着されていた。交換した日に何気なく曲がった交差点でリアタイヤが滑り、怖い思いをした。
アルミカウル補強ステー
Monster のヘッドライトカウルはヘッドライトステーで留めているだけで補強が何もないため、走行時にばたつく。MOTOPLAN で販売されているアルミカウル補強ステーを装着した。写真のようにカウルの形状に沿って曲げたアルミの棒にボルトで固定するための板が溶接されたものである。たったこれだけの部品のために丁寧な説明書が付属しており、装着はそう難しくはなかった。ただ、カウルをヘッドライトステーに留めているボルトを緩めるのに工具が入りにくかった。
スクリーン
Monster のヘッドライトカウルは小ぶりでスクリーンも小さめである。高速走行時には風圧が厳しいので、ライダースクラブ製の大型のスクリーンに交換した。効果は若干楽になったかな、という程度であり、それよりもばたつきが気になる。スクリーン交換時にはステーの補強が必須だろう。いわゆるチタンコートタイプを選択したので見た目もちょっと変わった。
リアクッション
走行距離が増えてきてリアクッションのへたりを感じるようになったので、リプレースでは定番と言えるÖHLINS製に交換した。タイプは 46PRCS であり、ピギーパック式リザーバータンク、伸び側調整、圧側調整、スプリングプリロードをホース式の油圧アジャスターで調整する機能を持つ。油圧アジャスターは本来はサイレンサー取り付けボルトに共締めするのだが、編者の Monster はアップタイプのサイレンサーに交換しているのでここに取り付けることができなかった。ギャロップにリアクッションの交換をお願いしたところ、写真のようにタンデムグリップの側にきれいに納まった。
さて、肝心の動作については正直な所良くわからないのだが、舗装路面の段差の乗り越え時のショックがなめらかになったように感じる。しなやかな動きと言おうか。そのせいか、コーナーリング中のフロントの暴れがおとなしくなったようだ。