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UPS300

このページでは UPS300 に関する情報について記述する。


  1. 概要

    ドライブレコーダー用バックアップ電源の UPS300 の内蔵バッテリーの容量は 3.7V 7800mA、充電完了まで約 3時間、寸法 W123×D82×H39mm、重量 270g である。紹介ページによると特徴は以下の通りである。

    1. シガー電源 12V をバックアップ

      出力端子はシガーソケットである。ドライブレコーダーの電源はシガープラグが多いので便利であるが、例えば F750 の常時電源ケーブルのような 3線式の場合には自分でシガープラグに接続する必要がある。エンジンがかかっている間は UPS300 への充電と接続機器への給電を行い、エンジンが停止すると UPS300 のバッテリーから接続機器への給電を行う。例えばモバイルバッテリーの多くは充電中は給電できないので、これがまさにバックアップ電源に必要な機能である。底面にスイッチがあり、このバックアップ機能を使うか否かが選択できる。このスイッチをオフにするとただのシガーソケット分配器になる。

    2. 2台連結で容量 2倍にアップ

      専用ケーブルで 2台連結すると容量が 2倍になるらしい。まだ試したことは無いが、長時間録画を行いたい場合には便利な機能である。3台以上の連結と増設したバッテリーから給電が不可能なのは残念である。容量アップ用の追加バッテリーがあると良いと思う。

    3. 車両バッテリ保護回路内蔵

      UPS300 に接続している車両バッテリーの電圧が規定値以下になると充電を停める回路と UPS300 の内蔵バッテリーに異常があった際にバッテリーを保護する回路を内蔵している。車両バッテリーに必要以上の負担を与えない配慮と内蔵バッテリーであるリチウム電池に対する安全対策がうれしい。入力電圧 12.2V以上で充電開始、充電開始から 67時間で充電停止と記載されている。

    4. USB 5V 使用可能

      内蔵バッテリーから給電する 5V 2A の USB端子を 1口装備している。5V 電源のドライブレコーダーにも使用可能と思われる。この端子は内蔵バッテリーから給電される。

    5. シガーソケットは 3口

      内蔵バッテリーから 1A を給電するシガーソケットが 1口、UPS300 への入力をそのまま出力するパススルーのシガーソケットが 2口ある。他の電装品に給電したい場合に便利であるが、UPS300 に接続している車両バッテリーの電圧が規定値以下になるとパススルーのシガーソケットへの給電も停止するので注意が必要である。BL型の AXELA がアイドリングストップした後、エンジンが再始動する際に、これに接続したレーダー探知機 (Cellster AR-101LA) が再起動するトラブルを経験した。

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  2. 設置

    UPS300用回路図

    F750AW1 を UPS300 に接続するように作成した回路図を左に示す。画像をクリックすると原寸大で表示する。F750 と AW1 の常時電源ケーブルがそれぞれ 3線式と 2線式という両方に対応すること、また手元のスイッチで駐車録画を行うか否かが選択できることの 2つを実現する回路とした。そのためにオムロンのリレー(G6B-1114P-US)を使い、手元のスイッチとしてエーモンの動作表示 LED内蔵の貼り付けスイッチ(1623)を用いた。リレーのコイルに並列に接続したダイオードは逆起電力対策である。図中黄色線に接続した 2つのダイオードが OR回路を形成し、ACC電源に接続するか手元スイッチを ON にするかでリレーを動作させ、UPS300内蔵バッテリーが F750 の BAT線と AW1 の BAT線に給電するようにした。条件による動作の違いを次表に示す。

    条件エンジンONOFF
    手元スイッチONOFFONOFF
    動作F750 BAT線
    AW1 BAT線
    給電給電給電
    各ドライブレコーダーのモード常時録画駐車録画動作停止

    図中緑点線で囲まれた回路をユニバーサル基板上に作製し、プラスチックケースに収めた。この回路と UPS300 を BL型の AXELA のアームレスト下の大型コンソールボックス内に設置した。UPS300 とコンソールボックス内のシガーソケットを接続するケーブルは UPS300 付属のケーブルではなく、L字型 DCプラグ(外径3.5mm 内径1.35mm)を持つ COMON DC-3513A の USB端子をシガープラグに換装したものを使用した。この DCプラグはUPS300 付属のケーブルの DCプラグよりも端子長が長い。このシガープラグから各ドライブレコーダーの ACC線に給電した。AW1 から HDR360G に換装した際には、これの常時電源ケーブルが 3線式なので F750 の配線と並列に配線した。

    駐車録画モードの移行方法もモデルによって違いがある。F750 又は HDR360G の場合は、ACC線に給電されている状態からエンジンを停止して BAT線だけに給電されると駐車録画モードに入るが、エンジンを停止した状態で手元スイッチを ON にしても起動しない。一方、AW1 の場合はエンジンを停止した状態で手元スイッチを ON にすると起動して常時録画モードになり、しばらくすると駐車録画モードに移行する。

    以上は UPS300 の底面のスイッチを常に ON、即ちバックアップ機能を有効にした場合の動作である。底面のスイッチを OFF にした場合はただのシガーソケット分配器となるが、BL型の AXELA がアイドリングストップした後、エンジンが再始動する際に HDR360G は再起動し、F750 はそのまま動作し続けた。上で述べたように底面のスイッチを OFF にした場合エンジン再始動時に UPS300 は給電停止するので、これらのことから HDR360G は BAT線の電圧が規定値以上であることを起動時と動作時に確認していることが推測される。

    なお、回路作成にあたってはカーアクセサリーに関する LaBoon!! というサイトのドライブレコーダー駐車監視用バッテリー 「UPS300」が便利過ぎて泣けたという記事を参考にした。ページ作成者に感謝する。このページにも UPS300 を使用した際のアイドリングストップ車両の問題と対策について触れられている。

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