10/26(土)
チーム大和のコマ図を使った二日間に及ぶツーリングに参加した。申込みはツーリングの一ヶ月以上前に行った。一週間前にレギュレーションと参加受理書が郵送されてきた。装備品としてレスキューシートとロープが入っていたので慌てて買いに行った。まさか実際にロープを使うことになるとはこの時は思わなかった。
左の写真のマップケースはツーリングの一週間前に、WonderSwan と GARMIN との電源付き接続ケーブルは前日に完成した。この状態で走行テストを行っていなかったので、トラブルが起きないかどうか不安だった。全てハンドルのクロスバーに装着してあるが、この位置は転倒の場合ライダーの怪我の不安がある。絶対に転倒できないな、と覚悟していた。このツーリングで二日間走行したところ操安性にさほど問題は感じられなかった。
車検が当日の6時からだったので5時に起床した。雨模様との天気予報だったが起床時には曇天だった。R6 を北進、給油して R289 を西進、途中チーム大和と知り合うきっかけとなった U氏と合流し、集合場所兼宿であるおふくろの宿に到着したのが 6:30 であった。早速受付し、コマ図を受け取った。朝食として握り飯と味噌汁が用意されていたが、出かける前にパンを食べていたので握り飯を 1個だけ食べて 1個は非常食とした。
1日目のコマ図は 40cm x 15cm で 19枚ほどあり糊でつなげてマップケースに装着した。車検では各部のネジ類の緩みがないか、点検しているようだった。周りの参加者は何度も参加しているのか、手慣れた様子で準備を行っていた。
車検が終わるとゼッケンを手渡され、10/13 のレースで使用したゼッケンの上に貼り付けた。参加車両は多種に渡り、実際海外ラリーに参加した人も多いようだった。マップケースは市販品や自作品をいろいろ見られて面白かった。ICOメーターを装着した車両もあった。
7:35 よりライダースミーティングで、コース、ガソリンスタンドの位置などの説明、諸注意、スタッフの紹介等が行われた。編者は申し込んだ順が早かったためかゼッケン1番、スタートが 8時丁度であった。
チェックカードを受け取りスターターがカウントダウンして、いざスタート。初めてのコマ図走行なので気楽に走ることにした。とにかくマイペース。
じきに数台に抜かれるが、慌てることは何もない。最初の区間は知った道だったので気楽、前の週の台風の影響か林道は若干荒れ気味であった。そうこうしていると最初の計測区間に到着した。全員が揃うまで待つ間に歩いて下見をした。1分間隔でスタートして計測する。最初の上りは赤土だったが斜度は大したことなく下りを迷いながらもゴールできた。全員が到着するまで待っている間に雨がポツポツ降り出したのでレインウェアを着た。
次の計測区間までの距離は大したことなく、スタートを待っていると後続のバイクが崖から落ちたとの連絡が入った。周りの人の反応を見ていると「ああ、また彼女か」という具合で結構落ちる人らしい。しばらく待っても来ないので見に行ったが、途中で会った参加者から既に引き上げた旨を聞いて引き返した。さて落ちた当事者は結構ピンシャンしていたし、バイクもブレーキレバーが曲がった程度で安心した。雨も止み、既に計測はスタートしていて編者はレインウェアを脱いで走り出した。今度はぬたぬたの路面で溝にはまったりミスコースしたり丸太を越え損ねて転倒したり散々だったが、まあ何とかゴールした。
全員のゴールを確認して再スタート。雨がまた降り出してきたので止まってレインウェアを着た。途中 CAP走行もあり、学生時代に買った SILVA のコンパスを出して方向を確かめる。この頃には雨も強くなってきてほとんど単独で走っていた。さて、路面注意のコマ図を見ながら進んでいると、参加者が独りで立っていた。話を聞いてみると崖下にバイクを落としたので拾い上げるのを手伝って欲しいという。言われた方向を眺めてみてもバイクが見えない。随分草が茂った所に落ちたらしい。たった二人では引き上げられないので、人数が集まるのを待つ。朝残った握り飯を食べたが、空腹であった。ロープを4本結び、バイクを押し上げるのに4人、引っ張り上げるのに5人で何とか崖下から引き上げる。この頃には雨が本降りで全員ずぶ濡れであった。45分ほどロスタイムして 14:15 再スタートであった。
ある区間で参加者の何人かとすれ違う。不思議に思っているとコマ図に示されている交差点がない。最後尾の社長が追いついてきて、どうもコマ図が一つ抜け落ちていることを聞いた。後の予定は全てキャンセルしてコンボイを組んで昼食の待っているコンビニエンスストアに向かう。到着したのは15時過ぎ。昼食の握り飯、ソーセージ、チョコレートを受け取り、軒下で食べる。約30分後に出発。途中林道をいくつか抜けながら宿を目指す。最後のガソリンスタンドに到着したのは 17時過ぎ。もう辺りは真っ暗。宿に到着して入浴して宴会となった。猪鍋が大変おいしかった。2日目のコマ図をざっと眺めたところ普段編者が走行している場所がほとんどであり、ルートの状況も大体想像がついた。特に難所もなく、設定した U氏の説明に「普通のツーリングですか」と質問すると、そうである旨の答えが返ってきたが、一同爆笑であった。よほど 1日目のルートがきつかったに違いない。使用したコマ図が半分ほどだったのが残念であった。
10/27(日)
翌日は前日の雨が嘘かのように素晴らしい快晴、しかし冷え込むとの予報に編者は冬用のアンダーウェアを着込んだ。それで特に暑いということもなかったのでやはり寒い一日だったのだろう。7:30 から朝食、8:30 スタートの予定であったが、やはり無理があり、8:45 スタートとなった。編者ははりきってスタートラインに早々にバイクを並べた。
1日目は全く知らない道がほとんどであったが、2日目のルートはほんの数kmを走ったことがないだけでほとんど判っているのでコマ図をめくるのも現在位置の確認程度であった。2日目はチェックポイント(CP)が2つほどあり、そこに記された文字を書いてくるという課題が与えられていた。知った道もコマ図を見ながら走るのは新鮮な心地がした。途中何台かに抜かれながらも相変わらずマイペースで CP1 を目指す。CP1 周辺は見晴らしの良いところで気持ちが良かった。次に休憩地点までの林道は予想通り前日の雨でぬかるんでいた。ここまでは単独走行であった。休憩地点である里美牧場に到着すると、編者が一番乗りであった。前日雨で浸水したブーツを脱いで乾かす。風もなくこのまま昼寝をしたいような上天気であった。
さて休憩も終わり再スタートである。右の写真のように里美牧場の牛と記念撮影。編者の経験では牛はバイクの排気音に驚くことがあり、一匹が驚いて走り出すと他の牛も連れて走り出すので、里美牧場に行かれる方は注意されたい。
短い林道を抜けると、里美牧場の周辺は幅の細い道が多い。ふと気付くと後ろに追い越した Aさんが着いてきている。案外車が多く、しかもブラインドコーナーだらけなので車とすれ違うときには合図をして注意を促した。ツーリングに来ていて事故はつまらないし、地元の人間としては慣れた道なので楽しく走っていただきたいという気持ちからである。
そうこうしていると CP2 にやってきた。課題をクリアして再スタート。後続を引き離して次の林道の入り口へ進入して後ろを振り返ると一台気付かずに通過して行ってしまった。結局彼は行方不明になってしまった。その後ろの Aさんは行きかけたがすぐ止まりこちらに気付いたようだ。何分にも Aさんは 1日目で崖落ちしており、心配なので様子を見ることにした。これから通る道は落ちたらそのまま戻ってこれないような所ばかりである。結局これから最後までは Aさんとランデブー走行であった。ペースが似ているのかもしれない。
2日目の最大の難所がやってきた。編者は 2回しか走行したことが無く、その恐ろしさは嫌というほど知っているガレ場である。過去 2回とも乗って走ることができずバイクを降りて押したので是非乗ったままクリアしたいと考えていた。しかし、あっけなく押す羽目になった。最大の難所ではスタッフがカメラを持って構えている。緊張したが割となんなくクリアできた。進んでいくと Aさんが立ち往生している。どうも溝にはまって出れないようだ。そう言えば 1日目も溝にはまっているのを出したよなぁ、と思い出しながらバイクを止める場所を探す。下手するとこちらもスタックするような場所である。戻ってくると Aさんは力尽きたのかバイクごと倒れていた。溝にはまった時には、まずエンジンの力で脱出できるか見極める。駆動輪がスリップしているときはただちに中止して前輪が抵抗になっていないか観察して再度トライ。それでもだめならバイクを引っ張り出すしかない。前進がだめなら後ろ向きに引っ張ると上手くいくことが多いし、それでもだめならバイクを斜めにして横向きに引っ張ってみる。まあスタックした時の脱出は経験が物をいう。タイトルの意味に述べているように、こういう時は諦めてはだめだ。「できるはずだ。何とかなる。と信じる。」これが大事である。
何とか脱出した後はガソリンスタンドに向かう。ガソリン補給して、人間にも水分を補給して再スタート。花園神社周辺は紅葉シーズンということもあり、人出が多かった。そうでなくてもこの辺りはハイキングする人が多いのでお互い迷惑のないようにしたい。この後は大回りして四時川を経由し仏具山へ上る。終り頃はハンドルを押さえる力が入らなくなっていた。頂上では太平洋が見えて眺望が良い。既に 14:30 過ぎ。後は宿を目指すだけである。
さて、宿に戻ってきて参加者をチェックすると一人行方不明になっている。どうも最後に見たのは編者らしい。何とか自力で宿に戻ってきてくれることを祈っていた。おふくろの宿付属のバーベキューハウスでジンギスカンを食べながら閉会式が始まった。すると行方不明者が宿に戻ってきた。無事で何よりであった。その後、昨日の計測区間のタイムと順位が発表された。編者は大体真ん中くらいであった。上位 3名はメダルが与えられた。順位と逆順に景品を選択でき、編者は写真のようなチーム大和の名前入りの Tシャツを頂いた。
最後にヘルメット争奪のジャンケン大会が行われた。これがびっくりすることにヘルメットをゲットしたのは行方不明になった方だった。
さて、閉会式も終了するともうあたりは暗くなりかけていた。編者は独りで日立に帰った。充実した二日間であった。