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GPSMAP 60CSx


  1. microSDカード

    現在の Garmin機のファームウェアのアップデートは WebUpdater を用いて行う。編者の入手した GPSMAP 60CSx のファームウェアは、それによると Ver.4.20 で最新である。従来方式の機種毎のファームウェアアップデートファイルは GPSMAP 60CSx software version 4.00 である。この履歴によると、Ver.3.20において「Update data card driver to support SD version 2 cards」とあるので SDHC 規格に対応している一方、FAQ の Maximum Memory Card Size for Garmin Legacy Models によると「Card storage size - up to 4GB」 とあり、制限があるようにも思える。手元のメーカー不明の 8GB の microSDHCカードを装着し、本体のカード情報画面において確認した所、問題なく認識した。

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  2. トラックの保存

    内部ストレージには 10,000点トラックを保存でき、その記録方法を時間又は距離を設定できるのは従来からの機種と変わらない。勿論記録方法を「Auto」にし、その間隔を「Most Often」から「Least Often」の5段階から選択することも出来る。この場合、3段階目の「Normal」でも林道のような Rの小さいコーナーが多い場合であっても記録された軌跡が道をほぼ綺麗に沿うように記録できる。そのトラックを本体内にセーブした場合、点数は間引かれかつ時刻情報は失われるので、ツーリングの記録には適さない方法である。記録するなら密度を高く、即ち毎秒間隔や 10m間隔で記録したいという欲求がある。だからこそ、E-65 とかWonderSwan を用いるなど工夫してきた。いずれの場合でも Garmin機と記録装置を接続するケーブルが必要となり、重量もスペースも更に増えることになる。本体だけで済むならそれに越したことはない。GPSMAP60CSx の場合には microSDカードに直接トラックを保存できる機能があり、その場合 [記録した日付].gpx のようなファイルが作成される。記録点数に上限は無いので、microSDカードの容量一杯まで記録が可能となる。microSDカードの項目で述べたように、4GB の制限が存在するかも知れず、認識していても記録できるか不安だったので、試しに空き領域を 0.8GB 程度にして試してみた所、ファイルの読み書きに問題はないように見えた。microSDカードに直接記録したトラックは本体で表示することができないし、いわゆる TracBack機能を使えない等のデメリットがある。

    トラックの設定画面で 1秒毎記録を設定した際、しょっちゅう起こるわけではないが、たまに最大で 50秒程度記録されない状況に遭遇した。microSDカードアクセスに関する処理、3軸電子コンパスと気圧高度計に関する処理、地図表示に関する処理による負荷を原因として疑った。microSDカードとして 4GB、発売当時の標準的速度である class4 に変えてみても改善しなかった。3軸電子コンパスの停止、気圧高度計の自動キャリブレーションの停止をしても改善しなかった。地図の容量を 50MB 程度にした所、ほぼ状況が改善されたので、地図データの読み込みや表示が負荷となっていると判断した。(2020年7月追記)

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  3. 地図の選択

    GPSMAP 60CSx software version 4.00 の履歴によると、Ver.3.90において「Added support for maps greater than 2 GB」とあるので、かつては地図データのファイルサイズに制限があったようだ。編者は地図に漢字表示する手間を掛けなかったのでローマ字表記の地図を用いることにした。Garmin GPS英語版用 日本地図データGarmin GPS向け地形図(無料)のダウンロードの両方のページから地図データをダウンロードして試した。地図データの元データはどちらも OpenStreetMap であり、後者は前者のデータをベースにいくつか表示内容を追加しているようだ。特に等高線と DEM(Digital Elevation Model; 数値標高モデル) の表示に特徴があり、ファイルサイズも 2,937MB(gmapsupp-JAPAN-OSM-with-contour-DEM10-ascii_2019-05-12.zip中のgmapsupp-JAPAN-OSM-with-contour-DEM10-ascii.img) と大きい。前者のファイルサイズは等高線ありで 863MB(gmapsupp_190607cntr.zip中のgmapsupp.img) である。これ以降の機種では地図データを切り替えながら使用できるものがあるが、本機種では gmapsupp.img だけしか表示できない。前者はおそらく市街地であろうエリアの表示にクロスハッチングを用いており、色数の少ない本機種ではやや見難く感じられ、編者は後者を選択した。

    本機種には PC用のソフトとして MapSource に代わり、Trip & Waypoint Manager のインストールCD-ROM が付属する。これを記述している 2019年6月では、更にこれに変わり BaseCamp を用いて PC とデータのやり取りを行う。ただし、上にあげた地図データのいずれかもソフトを通じて地図データを転送せず、直接 microSDカード に Garminフォルダを作成し、その中にファイル名を gmapsupp.img として保存して使用する。

    トラックの保存の項目に記したように、地図の容量がトラックの記録に影響を及ぼすので、容量の小さい地図を搭載することを検討した。検索すると、T-MZ氏のデータを元にローマ字表記に変更したろーぎっしゅ氏の地図が Garmin用 自転車向けローマ字変換地図で配布されていることが分かった、これは日本を 10の地域に分割し、等高線と細い道を省き、ファイル容量を小さくしている。北関東地方の地図の容量は 79MB と小さく、これを用いるとトラックの記録の状況が改善された。しかしながら、林道を走行するには地図に等高線や林道が記載がある方がうれしい。GPSMAP 78s の場合には特に問題が無いので、suke氏のデータの加工を検討した。imgファイルから必要な部分のみ抜き出す方法について検索すると、亀のGPS氏のGARMIN etrex30用 img地図の作成というページが見つかった。流れとしては、cGPSmapper を組み込んだGMapTool に分割した img ファイルを読み込み分割して MapSource で読み込み直し、転送する範囲を指定して、GPS に地図をインストールするというものである。cGPSmapper 自体は公式サイトが消滅しているので、The Wayback Machine で http://www.cgpsmapper.com/buy.htm を検索し、2014年12月20日のページから Free cGPSmapper version 0098g for Windows をダウンロードしてインストールした。編者の行動範囲を選択して作成した地図容量は 43MB となった。地図の拡大縮小を行うと若干影響はあるようだが、トラックの記録の状況は完全ではないにしろ、ほぼ改善されたように思える。(2020年7月追記)

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