Map Fan The GPS KIT
IncrementP社の MapFan2 に ETAK社の GPS アンテナをセットにしたもの。発売前に IncrementP社の WWW ページで発売予告を見て購入を決意した。このキットの特徴は赤外線リモコンが付属していることであり、地図の拡大縮小、スクロールなどがリモコンで行うことが出来た。また、MapFan2 は立体地図の表示が可能、別売の詳細都市地図を使用可能、地図上にスポットと言われる情報を登録できるなど、優れた電子地図である。
そもそも購入に至った動機は車での走行記録を取りたかったためでそのためにノートパソコンを車載するためのスタンドを自作した。ルートの検索機能も装備していたが、いわゆる音声ナビゲーションをしてくれるわけではなかった。しかし、紙の地図を見ながら目的地への道を探すよりかは数段楽であり、充分 GPS の恩恵を被ることができた。
IPS-5100G
ETAK社の GPS アンテナの感度の低さに閉口して購入した SONY のアンテナ。Nifty の FGPS では伝説的な名機として評判が高いようだが、期待していたほど感度が良いとは思えない。先に購入した Garmin の GPS Ⅲ+ の方がしつこいくらいに衛星を追っかけてくれると思う。ただし、アンテナの設置場所は室内のダッシュボードの上であり、比較的フロントガラスの傾斜のきつい LANTIS の場合でも前方の衛星しか捕捉できないので、この定量的ではない評価は鵜呑みにしないでいただきたい。ホットスタート、コールドスタート共に素早く衛星捕捉を待たされたことはない。
ETAK + IPS-5100G
今は亡きPC WAVEに掲載されていた記事を参考に ETAK の PC カード部と IPS-5100G を接続させた、いわゆる丸廃仕様。後で記述する Navin'You と組み合わせれば、専用カーナビは不要ではないかと思わせるシステムが完成する。この作成方法についてはパソコンカーナビの部屋から(廃)GPSの作り方を参照していただきたい。
Navin'You
言わずと知れた SONY の PC カーナビソフト。強力なルート検索機能、音声ガイダンス、擬似 3D 表示可能な地図など他社の追従を許さない素晴らしいソフトである。しかしリソース喰いで有名であり、時々「不正な処理を行いました」ダイアログとともに落ちていくお茶目な一面もある。Ver.5 では解消されたらしいが、未だに購入していない。
GPS Playrer32 や NyLink for GPS Playrer32 と共に使用し、アンテナは ETAK + IPS-5100G を用いればリモコンでソフトを操作することも可能となる。走行ログの再生も GPS Playrer32 によって簡単である。
カシミール3D
カシミール3Dと言えば、ハンディ GPS を扱う方ならまず使用すべきソフトであろう。といいながら編者は長年その存在を知りながらずっと使っていなかった。それはどのような地図を使えば良いか判らなかったからである。バイクで林道へ行くような方は、国土地理院の 5万分の1 や 2万5千分の1 の地形図を使われるであろう。それならば山旅倶楽部のオンライン地図サービスに入会し、是非カシミール3Dを使うべきである。このサービスを利用すれば簡単に 2万5千分の1 の地形図 に相当する地図がカシミール3D で表示可能である。編者はとても使いこなしていないのでここで使用法について説明しないが、ハンディ GPS を使って走行記録を残せば、このソフトを使って地図上に軌跡を表示することは実に容易である。このソフトを使い始めてロガーの使用を思い立ったのである。
カシミール3D と GPS TRACK LOGGER for WonderWitch を用いてツーリングを記録する方法についてはカシミール3Dを用いたツーリングの記録方法のページを参照のこと。
カシミール作者自身が書かれた解説本として以下の3冊が発売中である。詳細については各書名をクリックしてリンク先のページを読まれたい。また、この3冊を揃えれば全国の20万分の1と5万分の1の地形図が全て使用できる。
- カシミール3D入門
- カシミール3Dの基本的機能の解説書。全国の20万分の1の地形図と関東甲信越地方の5万分の1の地形図が付属。
- カシミール3D GPS応用編
- ハンディGPS の機種、使い方の紹介とカシミール3Dと連携させた使い方についての解説書。全国の20万分の1の地形図と名古屋以西の5万分の1の地形図が付属。
- カシミール3D パーフェクトマスター編
- カシバード、ムービーメーカ、各種地図の扱い方などのカシミール本来の使い方についての解説書。全国の20万分の1の地形図と北海道、東北の5万分の1の地形図が付属。
なお、カシミール3D GPS応用編には本ページの内容と編者へのインタビューが掲載されている。
Garmin GPS Ⅲ+
ハンディ GPS と言えば GARMIN であろう。いくつかモデルがある内、地図表示が可能でバイクに搭載するのに適した GPS Ⅲ+ を選択した。(購入当時には e シリーズは未発表であった。)個人輸入しか購入方法がなかった当時にGPSショップまっさんのページを見つけ通販で 1999年に購入した。コールドスタート、ホットスタート共に驚くほど早く、また操作系統も抜群の使いやすさである。林道のような障害物の多いロケーションでもしつこいほど衛星を捕捉してくれるので頼りになる。表示は縦位置、横位置共に可能でバイクで使用する際には横位置で、手に持つ場合には縦位置で使用すると使いやすい。地図は GARMIN 純正の MapSource World Map を転送して使用しているが、ここらへんが○○市と分かる程度の大雑把な情報量しかないのであんまり期待しないこと。
[仕様]
Garmin eTrex Venture
Garmin GPS Ⅲ+ のサブ機として 2001年に購入した。車に載せたり、バイクに載せたりするのに一台では面倒を感じ、主に車か、徒歩用として選択した。購入するにあたり考慮したのは以下のポイントである。
- 軽量、小型であること。
- 地図表示は不要。
- バッテリーの持ちが良いこと。
- 単体で記録できるトラック数が多く、記録方法が選択できること。
2001年の暮れも押し迫った頃、ライトスタッフから通販で購入した。後で聞いたところでは、これで在庫切れになったほど人気のある機種らしい。
Garmin GPS Ⅲ+ を随分長く使っていたせいか、ユーザーインターフェースに慣れるのに少し時間がかかった。アイコンを選択するとメニューが表示されるのは、PC の操作性に慣れている場合には良いかも知れないが、直感的とは言えないと思う。また、売りの機能である CLICK STICK はグローブでは操作し難い。またボタンが側面にあるので、バイクに搭載した場合では押しにくい。逆に言うと、手に持って使うには大変使い易い配置である。画面の解像度が高いので、文字が小さくて読みづらい時もある。Garmin GPS Ⅲ+ と比較するとコールドスタート、ウォームスタートは若干早く感じられる。
[仕様]
Garmin Geko 301
Garmin eTrex Ventureが故障のため修理に出したので、Monster S4に搭載するのを主な目的として 2003年に購入した。Geko シリーズの特徴は、小型、軽量、単体で10,000点トラックが記録できることである。Geko 301 は電子コンパスと気圧高度計も内蔵されている。しかし、電源が単4電池2本使用によって電池の寿命が短くなる心配があった。当初、Geko201をライトスタッフから購入したが、GARMIN各機種の消費電流によると、電子コンパスをオフにした Geko301 の方が Geko201 よりも消費電流が少ない事が判ったので、差額を支払って Geko201 と交換してもらった。
ボタンは全て前面に設置され、バイクに搭載した状態では押し易い。ユーザーインターフェースも単純で、CLICK STICK を持つ eTex Ventureよりも使いやすい。電子コンパスをオフにしてアルカリ電池を用いれば、日帰りのツーリングなら充分持つようだ。
[仕様]
Garmin Foretrex 101
2003年末に発売された Forerunner 201 に始まる腕時計型(GARMIN ではウェラブル型と呼称)のハンディGPS。Forerunner はアスリート向けのメニューになっているが、Foretrex は Geko 201 を腕時計型にしたような機能である。Foreシリーズの大半は充電型のリチウムイオン電池を内蔵しているが、この機種は単4電池2本を電源としていることと外部インターフェースの2.5mmステレオプラグが直接本体に挿せる(他機種はアダプタを介す)ことが特徴である。Geko とは、トリップコンピュータの画面がスクロールできること、ルート設定でいわゆるシリンダー機能を使えること、タイマー機能があることが異なる。エクステンションストラップが付属しているので手首以外に上腕に巻くこともできる。2006年に購入した。
本体は Geko よりも更に小さく、ハンドルのバーパットに直接設置できるのでバイクで初めてハンディGPS を使うには最適の機種ではないだろうか。地図表示やナビゲーションはできないし、画面解像度も低いが、単に走行記録を残したいという目的には必要充分と思う。ただし、外部電源を入力する端子はないので、長時間の使用には予備電池が必要となる。アルカリ乾電池を用いて林間部で使用の場合、電池の消耗が激しい。
[仕様]
Garmin eTrexH
2007年に登場した高感度の小型 Garmin機で 2008年に購入した。Garmin は自社製 GPSエンジンを誇ってきたが、この機種についての GPSエンジンは未公開とのことだった。単3電池2本、軽量、10,000点トラックが記録可能で、Garmin eTrex Venture にあった CLICK STICK もない、地図表示もない、カラー表示もないシンプルな機種である。執筆時の2015年よりずっと前から PC には殆ど搭載されなくなった RS-232C ポートが必要だが、市販の USB と RS-232C ポートを変換するアダプターを使用すれば接続可能である。編者はライトスタッフ製の eTrexシリーズと Foreシリーズを USB で接続できる EFU-700 を使用している。カシミール3D でも通信に問題は無い。
画面解像度が 128 x 64 しかないが、逆にシンプルな画面は大変見やすい。執筆時の2015年でも TT-R250(4PXA) と DT125R(4DJB) に RAM 社のマウントを用いて搭載して使っている。以前は WonderSwan を接続して 1秒間隔で記録していたが、現在では単体で記録するようになった(2019年5月追記)。
[仕様]
Garmin GPS Ⅴ 日本版
Garmin GPS Ⅴ 日本版とはGarmin GPS Ⅲ+の後継機種である GPS Ⅴ を日本向けに日本語表示を可能にして、2003年に発売されたハンディGPS である。最大の特徴は、ナビゲーション可能な MapSource を本体に転送した場合に目的地を設定するとルート案内可能の機能を搭載したことである。ただでさえ高額な GPS Ⅴ を日本語化することで 9万円を超える定価となってしまったが、カタログ落ちして安価で販売されていたので 2008年に購入した。
ナビゲーション可能な MapSource である Garmin純正の日本道路地図ではなく、UUD製作所製の日本詳細1:25000道路地図+トポ v1.2 を購入した。バイクへの搭載には、GPS Ⅲ+ 用に購入した Touratech(Tourtek)製マウントを使用し、電源供給の回路も GPS Ⅲ+ 用に作製したものを用い、外部アンテナを接続し TT-R250(4PXA) で使用した。
肝心のナビゲーション機能に関しては、検索もルート探索も遅く、画面描画もかったるく、車載のいわゆるカーナビと同等の機能を期待すると失望する出来だった。しかしながら、いわゆる PND も存在しない時代にハンディ型のナビゲーション機器を出した意義は大きい。日本語表示は確かに便利であるが、地名を表示する以外には不要な機能と思う。単にトリップコンピュータ画面で使うだけなら、英語表示の方がシンプルで良い。
[仕様]
Garmin nüvi 205 日本版
Garmin nüvi 205 とは 3.5インチカラー液晶を搭載した 2009年に発売された PND(Personal Navigation Device) で、2009年に購入した。この当時短命だったが、PND の流行があり、高価な車載専用のカーナビゲーションシステムや通信の必要なスマートフォンアプリの間に位置するこれらのデバイスは Garmin の独擅場だったと思う。廃れていった原因の一つには、画面の肥大化とスマートフォンの普及があると思う。これを執筆している 2019年で 3.5インチという画面サイズはみすぼらしくさえ思えるが、使ってみると必要にして充分な画面サイズと感じる。道路や建物の表示方法は国産の車載専用カーナビゲーションシステムとは異なった独自の表示形式であるが、さほど見難いものでは無い。検索機能は残念ながら使い難いが、経由地を 200箇所設定できたり、microSDカードスロットに海外版マップソースを差し込めば機能したり、軌跡が保存できたり、色々面白い機能が搭載されている。ピクチャービュアーを用いると位置情報を含んだ EXIF情報を持つ画像ファイルでは、その場所へのナビゲーションを直ちに開始できる機能は面白い。検索機能を使わずに、いわゆる「お気に入り」を使うか、このピクチャービュアーを使うと便利である。
執筆時の 2019年には SV650S にタンクバックに収めて使用している。電源兼データ転送用の miniUSB 端子が背面にあり、通常の USB端子では出っ張る。純正の nüvi電源直結用ハーネスは USB端子が L字型で出っ張らず電源供給できる。12V は SV650S のポジションランプから分岐して供給している。PC と USB で接続した場合には、USBマスストレージとして認識し、カシミール3D ではマスストレージモードでデータ転送できる。この場合は転送速度も速い。
[仕様]
Garmin GPSMAP 78s
MAP シリーズは海上で使うことを想定した防水で水に浮く仕様が特徴である。この GPSMAP 78s は 3軸電子コンパス、気圧高度計を搭載し、更に地図を読み込める microSDカードスロット、オンボードで 1.7GB のメモリを備え、日中でも視認性に優れるカラー液晶を持っている。インターフェースは Garmin GPS Ⅲ+ と同様のいわゆる O type のシリアルコネクタと high-speed USB コネクタ、更に外部アンテナ接続用の MCX コネクタ、ANT+ という無線通信デバイスを備えている。ボタンは Garmin GPS Ⅲ+ と同様の種類と配置のものを前面に設置して押し易い。
2010年に発売されたモデルだが、2015年に購入し、eTrexH の代わりに執筆時の 2019年でも TT-R250(4PXA) と DT125R(4DJB) に RAM 社のマウントを用いて搭載して使用している。軌跡の記録も単体で充分である。購入した頃は、Garmin ではeTrex Venture のような CLICK STICK かタッチパネルを搭載した機種が多く、バイクで使用するには操作性に難有りと思った。また、電源供給するのに多くの機種は USB コネクタ経由であり、防水面を考慮して O type のシリアルコネクタを備えたこの機種を選択した。仕様のページに示したように説明書にコールドスタートやホットスタートの時間の記載が無いが、衛星捕捉までに時間はほとんどかからない。地図は OpenStreetMap for GARMIN の記載に従って日本語フォントをインストールし、このページからダウンロードできる日本地図を利用している。PC と USB で接続した場合には、USBマスストレージとして認識し、カシミール3D ではマスストレージモードでデータ転送できる。
Garmin GPSMAP 60CSx
GPSMAP 60シリーズは GPS Ⅱ 系統に代わる Garmin製ハンディGPS のフラッグシップ機である。eTrex H と同時期と記憶していたが、調べてみるとその少し前の 2005年に発売された機種であった。SiRF StarⅢ GPSエンジンを搭載だったと思っていたが、パソコンGPSニュースのメールマガジン(2009/11/22)によると、途中でエンジン変更があったらしい。編者の所有する機種がどのエンジンを搭載しているか判らない調べると、GPSmap 60CSX chipsetsという記事の内容と所有機の GPS SW Ver.2.40m から判断して MediaTek 製と推測される(2020年7月修正)。機種名で検索すると、高感度を賞賛する記事が山のようにヒットするし、この辺りからハンディGPS機の販売店が増えていったように思う。それまで地図搭載機種は地図データを内蔵ストレージに保存していたが、おそらくこの機種から microSDカード(途中から microSDHCカード)スロットを設け、そこに保存するように変更された。それに従って、PC用ソフトである MapSource から地図を本体に転送する方式から、地図を保存した microSDカードで地図を販売する方式に切り替わった。インターフェースはいわゆる O type のシリアルコネクタと USB コネクタ、外部アンテナ接続用の MCX コネクタを備える。ボタンは Garmin GPS Ⅲ+ とほぼ同様の種類と配置(電源ボタンのみ筐体上部)のものを前面に設置している。GPSMAP 78sとボタンと液晶の配置が逆なのが面白い。重量も GPSMAP 78s とほぼ同じだが、手に持つとやや重量感を覚える。背面が丸みを帯びており厚さがある。アンテナの配置も考えるとトランシーバーを意識したデザインに思える。小型の eTrexシリーズ と比べるとやや大きめだが、かえって持ち易い。電子コンパス、気圧高度計を内蔵している(2021年7月追記)。
古い機種だが、中古を 2019年に購入した。GPSMAP 78s よりやや小さい筐体であること、電源供給できる O type のシリアルコネクタを備える 60シリーズ最後の機種であること、トラックを microSDカードに直接保存できることに魅力を覚えた。台湾向け機種又は米国向け機種に台湾向け機種用ファームウェアを搭載して日本語表示を可能する記事が見られるが、編者はそれは辞めて、Garmin GPS向け地形図(無料)のダウンロードのページからローマ字表記の地図をダウンロードして使用している。PC と USB で接続して、USBマスストレージとして認識可能だが、カシミール3D ではマスストレージモードではなく、USB接続でデータ転送する。USB接続の場合には、専用のドライバが必要である。マスストレージモードの場合、本体のインターフェース設定画面で「USB Mass Storage」ボタンを押す必要がある。この場合、単に本体への地図データの転送と microSDカードに記録したトラックを PC に転送することしか出来ない。
GPSMAP 78s は軌跡の記録、地図の表示において優れた機種だが、バイクに搭載するにはやや大柄であるので、2021年には代わりにこの機種を TT-R250(4PXA) と DT125R(4DJB) に RAM 社のマウントを用いて搭載して使用している(2021年7月追記)。
Garmin Foretrex 601
Foretrex 101 は小型、軽量、電池駆動、モノクロ液晶と走行記録を残すには必要最低限の機能を持っている。ある時期からホットスタート出来なくなり、常にコールドスタートするようになった。これはバックアップバッテリーの消耗によって軌道情報を保持できなくなったためと思われた。修理よりも腕時計型の新しい機種を検討した。世の中は所謂スマートウォッチというスマートフォンのサブ機のようなものが流行しており、GARMIN も同様だったが、601 という 101 の系統の機種があることが分かった。これは圧倒的なバッテリー寿命と米国軍仕様の耐久性を売りにしている。編者の目的はバイクの走行記録なので日本版にメリットを感じず、2020年に新品の米国版を購入した。
Foretrex 101 と比較すると、幅が狭く、若干軽く、画面が大きく、画面解像度が4倍になっている。3軸電子コンパス、気圧高度計を内蔵している(2021年7月追記)。インターフェースが micro B 端子で電源供給できるのは良いが、電池蓋を開けてアクセスするのはちぐはぐな感じがする。ANT+ というワイヤレス通信デバイスを内蔵し、編者は温度センサー(tempe)を接続している。他にも GARMIN製アクションカメラ VIRB のリモートコントローラ機能、スマートフォンと連携してメールや SNS の通知機能、ナイトヴィジョン対応等、良く色々な機能を詰め込んだものと感心する。ベルトは Foretrex 101 や一般的な腕時計のようなベルトの端をバネ棒で固定する方法ではなく、ネジ止めしたピンと本体との隙間にベルトを通す方法で外れにくくて良いと思う。裏蓋は Dリングによってロックされ、密閉性に貢献している。
カタログにも取扱説明書にもコールドスタート時等の衛星の捕捉時間の記載が無いが、開けた場所であればあっという間に捕捉が完了する。林道のような樹木に天空を遮られるような区間でも衛星補足はねばる。GNSS(Global Navigation Satellite System) として GPS 以外に GLONASS、GALILEO も捕捉可能だが、バッテリー消費を減らすために GPS だけでも充分と感じる。RECORD INTERVERL AUTO, RESOLUTION HIGHEST の設定で軌跡を記録しても、曲率が大きい区間では妙に記録間隔が空く現象がしばしば観測される。記録点数を増やすためのチューニングと考えているが、確証は無い。道路に沿った軌跡を記録したいのならば、RECORD INTERVERL TIME として記録時間間隔を短くするしかないだろう。以前の機種であれば、記録密度を中程度に設定すれば概ね道路に沿った軌跡が記録できたので残念に思う。
PC と USB で接続した場合には、USBマスストレージとして認識し、カシミール3D ではマスストレージモードでデータ転送できる。接続した際、画面上に "SAVING GPX DATA" というメッセージが表示され、データ量によっては結構な時間待たされてから内部のデータが閲覧可能となる。
[仕様]
Garmin Foretrex 401
Foretrex 601 の妙に記録間隔が空く現象が気に入らないので、中古を 2021年に購入した。Foretrex 101 と異なり、電子コンパス、気圧高度計を内蔵し、インターフェースが mini B 端子となっている。筐体は Foretrex 601 とほぼ同じ大きさで、画面の大きさと解像度が Foretrex 101 と同じである。ベルトの形状は Foretrex 101 と同じだが、バネ棒ではなくネジ止めになっている。ANT+ を内蔵しているが、温度センサー(tempe)を接続できない。
コールドスタート時等の衛星の捕捉時間は Foretrex 601 程早くはないものの特に遅いわけでもない。林道のような樹木に天空を遮られるような区間では Foretrex 601 程ねばらないが、天空が開けた曲がりくねった峠道では問題は無い。肝心の軌跡の記録間隔についても RECORD INTERVERL AUTO, RESOLUTION MIDIUM の設定で特に問題は無い。軌跡の記録方法は Foretrex 601 が特殊なのだろうか。
PC と USB で接続した場合には、USBマスストレージとして認識し、カシミール3D ではマスストレージモードでデータ転送できる。Foretrex 601 と同様に接続した際、画面上に "SAVING GPX DATA" というメッセージが表示され、データ量によっては結構な時間待たされてから内部のデータが閲覧可能となる。
[仕様]
EMPEX MAP21
エンペックスの地図内蔵ハンディ GPS 。昭文社のマップル20万分の1の電子地図は道路、鉄道、都道府県市区町村を表示可能である。各種施設のポイントデータから検索も可能。ルート検索もできる。更にコンパクトフラッシュに任意のビットマップ画像を格納して表示も可能。と、大変高機能を誇っているが、内蔵アンテナの感度が今一つ低く感じられる。コールドスタート時に見通しの良い場所で衛星捕捉まで動かないようにきちんと待つと、その後は良く衛星を捕まえているようだ。
株式会社システムプロデューサアソシエイツから通販で 2000年に購入した。購入後、内蔵アンテナの感度が低く感じられたので、購入元に相談したところ、大変丁寧に対応していただいた。結局メーカーでの調整となった。
その後、どうも本体の角度によって感度が変わるような気がしたので、アンテナの向きも変化させて試してみると次の表のように感度が変化することが判った。実験場所は当然見渡しのよい近くの小学校の運動場で行った。
本体の向き アンテナの印刷面の向き 感度 1 水平 水平 捕捉衛星数は3つ以下
信号強度バーも低く白色2 水平 垂直 捕捉衛星数も7つ程度
信号強度バーは4つは最高値で黒色、残りは半分以上の値で白色3 垂直 水平 2の状態より若干改善 もちろん、説明書ではアンテナの印刷面は常に水平にして天頂を向くように指示がある。疑問に思ったので株式会社システムプロデューサアソシエイツのQ&Aコーナー(【楽天市場】パソコンGPSショップのメニューより閲覧できる)で質問してみた。詳細は2001年4月22日から始まる「Map21のアンテナ」のスレッドを参照されたい。FGPSの桑野氏のアドバイスで「MAP21本体側の不要輻射の影響が考えられる」との指摘を受けたが、編者の実験範囲では改善できなかった。バイクで使用する場合にはタンクバック内に MAP21 を水平に設置する必要があるので、アンテナは水平よりやや前方に傾けた状態で使用することにした。この状態で2001/5/3, 4のツーリングで2日間に渡って使用したが、特に感度に問題はなかった。
歩行中に使用する場合には上表の3の状態で使用すると思われるから、編者のようなケースは珍しいと思う。編者の個体だけの問題なのであろうか。
WWW上で MAP21ユーザーの記事はかなり少ないが、編者が検索したところでは以下のようなページが見つかった。
- http://gak.boo.jp/gps/map21.htm
- http://www47.tok2.com/home/binbop/gps/gps/gps1.html
- http://www.bea.hi-ho.ne.jp/mwtstanakahi/empex%20map21.html
アップグレード
後に、GPSエンジンを定評のある SiRF社製に変更した MAP21EX が発売された。そして、MAP21ユーザーのために、MAP21EX相当にアップグレードするサービス(有料)が実施された。編者もアップグレードしたところ、感度の劇的な向上が体感できた(2004年)。SiRF社製の GPSエンジンはコールドスタート、ホットスタート共に早い。勿論、このアップグレードによって上で述べたようなアンテナの向きによる感度の問題は消滅した。(2006年1月追記)
コメットCF
コメットCF とは株式会社システムプロデューサアソシエイツで販売されている Leadtek 9534 CF型GPS受信機のことである。MAP21 のアップグレードによって、SiRF社製 GPSエンジンの実力を体感したので、PC や PDA で使い易い CF型受信機として 2005年に購入した。購入してじきに、より低消費電流のコメットCF/LPが販売されたが、これは若干サイズが大きい。
シャープの MI-E21 に接続したところ、本体からのノイズのためか若干衛星の補足に問題があるが、東芝の GENIO e550X では全く問題なく使用できる。MI-E21 の場合、対応ソフトがほとんど無いが、シャープスペースタウンで販売されているモバイルマップNavi はコメットCFの測地系を Tokyo-Mean にすれば使用できる。測地系の変更については清水隆夫氏の記事(コメント欄)を参考にした。
感度については今までの Garmin製は一体何だったのかというほど素晴らしいものである。ただし、森の中のような環境で使用したことはないので、その場合どういうことになるかは判らない。
コメットCF/3*GS
コメットCF/3*GS とは株式会社システムプロデューサアソシエイツで販売されていた GlobalSat社の BC-337 CF型GPS受信機のことで、2008年に購入した。SiRF StarⅢ GPSエンジンを搭載しており更に高感度な機種である。CF型GPS受信機は複数販売されていたが、コメットCF 以降感度が上昇すると共に大きくなり、このコメットCF/3*GS になってほぼ同じ大きさに戻った。
主に Windows Mobile(TM)2003 software for Pocket PC 日本語版搭載の富士通 Pocket LOOX (FLX3AW) と共に用いた。当時の PDA は CF インターフェース接続が主流で、どうしても受信機が PDA 本体から大きくはみ出し、使い勝手はあまり良くなかった。
Holux M-241
Holux M-241 とは、HOLUX社製の Bluetooth による通信ができ単3電池1本で動作するロガーである。MTK社製の GPSエンジンを搭載し感度は申し分ない。ロガーながら小型の液晶画面を持ち、記録点数や位置情報を表示することができる。130,000点の位置情報を記録でき、記録頻度を時間間隔又は距離間隔で設定できる。電池で 12時間動作し、USB Mini-B 端子からの電源供給も可能である。2008年に発売され、同年購入した。執筆時の 2015年でも販売されている息の長いモデルである。
残念ながら防水仕様ではなく、振動に対する考慮が不明なので、バイクで使用するには注意が必要である。肩上への設置の項目にあるようなケースに入れて使用すると電池切れのチェックが面倒だが、電波の受信状況は最適となる。CAMELBAK の肩のストラップに固定したこともある。
PC へのデータ転送は Bluetooth の SPP か、USB Mini-B 端子による接続を利用する。転送には純正の Holux Logger Utility を用いる他に、フリーソフトの MTK GPS Logger download Utility(2019年5月リンク修正) を用いることもできる。Andoroid 搭載スマートフォンでは AndroidMTK でもデータ転送が可能なので、出先では便利だろう。
[仕様]
PCカーナビ
Map Fan The GPS KIT を使用して車の走行記録を残そうと考えたので、ノートパソコン(IBM ThinkPad535)を搭載するための台を作成した。本体は市販のアルミ板とアングルを組み合わせてある。このままではマウント自体の重量がかさんでしまうので肉抜きを施した。また車の振動を伝えないためにスポンジをしいてある。これを市販カーナビ用液晶モニターの台を2個グローブボックス部に付けて固定した。荷重を分散させるために補助灯のブレ防止ステーを追加した。この状態でノートパソコンを搭載して走行したところ、自重(1.7kg)で大きく上下に動いてしまうことが分かった。そこで右側にフレキシブルステーを接続して固定したが、まだ左側が動いてしまった。更に左側にワイヤーで引っ張ることで、ほぼブレはなくなった。リモコンのマウントは右側のステー接続部に設置した。PC への電源供給はは市販の DC12V と AC100V のコンバーターを利用している。
前述の Navin'You の音声ナビゲーションを利用しているが、透過型液晶のディスプレイは日中はほとんど見えない。反射防止のフィルターを装着してみたが、わずかに改善される程度である。もちろん、運転中はディスプレイを見ることはできないので停車時に地図を見るか、同乗者に見てもらうしかない。しかし、的確な音声ナビゲーションによってほとんど地図を見る必要もないのだが。パソコンカーナビの利点は、あらかじめルート探索を行うことが出来ることと走行記録が残せる点にあると思う。また、使用する PC によっては画面が大きいゆえに情報量が多い点も重要であろう。しかし、操作性という観点からは市販カーナビにはかなわないので、そのあたりのバランスは各位で充分検討していただく必要があるだろう。
左の写真は実際にノートパソコンを載せた状態である。ダッシュボードには Garmin GPS Ⅲ+ が見えるが、ノートパソコンに接続しているのは ETAK + IPS-5100G である。
左の写真で Garmin GPS Ⅲ+ の背後に IPS-5100G の白いボディーが見えると思う。フロントガラスにエアコンの吹出口や IPS-5100G 等が映り込んでいることに注意。IPS-5100G の項で述べたように LANTIS はフロントガラスの傾斜が比較的きついので、前方の衛星しか捕捉できないので最良の位置ではない。
Garmin GPS Ⅲ+ は純正のカーマウントをアクリル板にビス留めし、エアコン吹出口に取り付けるタイプの液晶TV取付基台で固定している。Navin'You 使用中であっても [Compass Page] で進行方向や目的地への直線距離が判るので便利である。また PCカーナビをしない場合でも走行記録を取ることができる。
バイクへの搭載
- Garmin GPS Ⅲ+ の場合
GARMIN GPS Ⅲ+ をバイクに搭載するのにマウントが必要である。TT250Rの場合、ハンドルのクロスバーにTouratech(Tourtek)製のマウントを選択したが、1999年当時では国内で販売しているところは見当たらなかった。国外ではA Loopが有名であるが、どうも日本からのオーダーを受け付けているようには見えなかった。WWWをさまよっていると、海外ラリーへの参戦で有名なよしともくんちで取り扱っていることが判った。2001年現在では株式会社アイ・ディー・エーにて販売しているようだ。何時の間にか取扱いを止めたが、OBT-SELECT にて販売している(2004年5月追記)。なお、この搭載位置は視認性、操作性の点では優れているが、転倒時には危険が伴うことを各位で考慮されたい。
このマウントの優れた点は、アンテナとコネクタの保持具がついていることである。GPS Ⅲ+ は縦置きでも横置きでもアンテナが最適な方向にセットできるように回転可能であり、外部アンテナを接続できるように脱着式であるが、このために振動には弱いと思われる。また、コネクタは細い真鍮性のピンなので振動で折れることもあるらしい。マウントを自作する場合にはこれらに注意する必要があるだろう。ちなみに振動への影響を小さくするためにライトスタッフ製のコネクタは高さを低くしてあるのでお勧めである。バイクに使用する場合には更に小型のコネクタも製作してもらえるので相談すると良いだろう。ちなみに超小型コネクタには「つば」がないのでコネクタの取り外しは面倒になる。
約6年半使用し、GPS Ⅲ+ の溝で固定するアクリル製のツメが破損したので、OBT-SELECTから新型を購入した。購入元の話では、2002年頃から材質など変更されたようだ。上右の写真では判り難いが、従来アクリル製だった部分がステンレス製に変更され、バイクに固定する部分に RAM マウントのボール付取付座が取り付けられる孔が開けられているのが大きな変更点である。(2006年1月追記)
さてGPS Ⅲ+ にバイクから電源供給の必要がある。電池駆動の場合、振動によって電源供給が断たれ、ロギングできなくなってしまうことがあるためである。ちなみに舗装路のような平滑な路面の場合は電池駆動でも良いかも知れないが、未舗装路では電池駆動での使用はほぼ不可能だと思われる。(このように書いて来たが、後述のように薄いシートを用いて電池ケースのガタを少なくして、電池の電極に田宮の接点グリスを塗ると未舗装路でも電池駆動が可能となった。)ライトスタッフに相談したところ、なまじノイズキラーを電源部をはさむよりもかえってバッテリーから直接電源供給をした方が良いのでは、とアドバイスされた。TT250Rはセル式スターターを装備し、なおかつデジタルスピードメーターのため電源部はきれいに整流されているのではないか、という判断(推定。きちんと測定したわけではない)でパイロットランプ付近から電源を取り出している。もちろん途中に 0.3A のヒューズを介している。2年近く(2001年4月現在)使用しているが不具合はない。4年ほど使用して突然電源が落ちるようになったので、3端子レギュレータを用いて電源供給するように変更した(2004年3月追記)。しかし、これでも電源断が起きたのでDC-DCコンバータを用いた電源供給を行うようにした(2004年5月追記)。またsanさんのページにあるように電池ケースのガタを少なくするように薄いシートを使用しているが、これでも電源供給が断たれることはある更に電池の電極に田宮の接点グリスを塗るとほとんど電源断は無くなった(2004年3月追記)。写真ではデータ保存用のケーブルが接続してあり、コネクタを小さな袋で簡易防水した上でゴムバンドによってブレーキホースに固定してある。このケーブルはライトスタッフから購入した。なお、ライトスタッフ製のコネクタは GARMIN 純正のコネクタとは形状が異なるので、Touratech(Tourtek) 製のマウントのコネクタ保持具は改造の必要があった。
走行中は安全のためGPSの画面は見れないが、立ち止まったときには [Map Page] もしくは [Compass Page] にしておいて状況を把握する。 [Map Page] の場合には、直前の走行軌跡が表示されているので、国土地理院発行の5万分の1地形図などと見比べると現在位置を確かめるのが容易である。予め、林道入り口等の目的地の Waypoint を入力しておくと、[Compass Page] で現在位置から目的地までの方向と距離が示されるので便利である。また、データコネクタに HP200LX もしくは CASIO A-60 を接続して地図表示を行うこともある。また、CASIO E-65 を接続してロガーや地図表示を同時に行う。詳細に関しては別項で述べる。
バイクに搭載して走行記録を残す目的でGPS Ⅲ+を使用する際、林道のようなRの小さいコーナーが多い場合には [Main Menu] の [Track Logs] から [Setup Logging] の設定を以下のようにしている。
道路 Interval Interval Value 林道 Distance 0.02km 一般道 Resolution 25m このセッティングで走行記録を残したい区間の始めに [Clear Active Log] を選択し、区間の終わりで [Save Active Log] を選択すると、ほどよい密度で軌跡が記録できる。また、一般道の場合には上記のようなデフォルトの設定でロギングしている。この場合にはほぼ直線と見なせる区間のデータは間引きされ、曲率の小さな区間のデータが保存されるようである。長距離の記録には有効なようだ。
GPS Ⅲ+ をバイクに搭載する場合、アンテナを地面に対して垂直に設置する必要がある。こうすれば、かなり見通しの悪いロケーションでも衛星を捕捉してくれると思う。試しにジャケットのポケットに GPS Ⅲ+ を入れてロギングしてみたこともあるが、この場合衛星を捕捉しにくい状況があるようだ。
GPS Ⅲ+ のボディは日常生活防水程度の防水能力(カタログには waterproof to IPX7 standards との記述がある)であるから、雨天時の使用には注意が必要である。小雨程度では充分使用できるが、一度、豪雨時の使用で衛星捕捉が不可能になったことがある。衛星捕捉画面で信号強度が徐々に低下していって最終的には [Poor GPS Coverage] のメッセージが出て、測位が不可能となった。ライトスタッフに相談したところ、まず本体の故障かアンテナの故障か確認するために以下の操作を行うように指示された。アンテナを取り外してアンテナの代わりに50mm 程度の銅線を BNC コネクタに接続して動作させた。果たして、これで測位を開始したので、本体の故障ではないことが確認された。更にアンテナに水が浸入したことが考えられるので、エアコンの効いた部屋にアンテナを放置することを指示された。しばらくしてからアンテナを接続し、動作させてみると問題無く測位ができるようになった。
コネクタを接続したままにして、雨天のラリーに使用すると GARMIN 側の真鍮製ピン表面に白い腐蝕生成物ができることがあると聞いたことがある。コネクタ自身は防水されていないので雨中の使用後は水気を取るのが望ましいだろう。また、ピン表面にグリスなどを塗っておけば水分から遮断されるので腐蝕は防げると思われる。グリスは樹脂への悪影響がないものが良いが、ミニ四駆等で有名な田宮模型から接点グリスが発売されており、友人が試してみたところ良好であったと聞いた。長期間試したわけではないので樹脂への悪影響が全く無いとは言えないかもしれないが、元々電動RCカーのスピードコントロールスイッチの接触不良を防ぐためのグリスであるから、それなりに影響は少ないと思われる。
GPS Ⅲ+、eTrex Venture、Geko 301 と使用してきて GPS Ⅲ+ の感度に不満を感じるようになった。天空が開けた場所では大きな違いはないが、天空の見通しの悪い林道では測位不能に陥ることもしばしば経験した。この改善のために外部アンテナの導入を検討し、ライトスタッフの ANT-BNC-5 を 2005年に購入した。GPS Ⅲ+ は外部アンテナを 5.0V で駆動できるので、消費電流は多いが感度が高いものを選択した。機種による感度の違いについてはライトスタッフの掲示板の過去ログの 2002/12/20 の編者の発言 [2092]ANT-BNC-MINI を参照のこと。また、このライトスタッフの製品はコネクタが L字型で邪魔にならず、ケーブルの長さを指定できる。
外部アンテナの設置場所として、以下の3つの候補を検討した。1.フロントフェンダーの上、ライトカウルの直前、2.フロントウィンカー周辺、3.リアフェンダーの上、テールランプの直前。1 と 2 の場合にはケーブルの取り回しの点で設置は簡単であるが、転倒による破損の心配がある。また、良好な受信のためにはできるだけ高い位置、身体で衛星を遮らない位置に設置する必要がある。以上より、左の写真のようにテールランプの真上に設置した。ANT-BNC-5 は裏側に磁石が内蔵されているので、0.5mm 厚のフェライト系ステンレス板を台座にタイラップで固定した。また、1.0mm 厚のジュラルミン板でステーを作成し、フェンダーに設置した。台座はステーにウェルナットで固定した。
実際に使用してみると、今まで [Poor GPS Coverage] のメッセージが出るような状況でも、衛星画面では、ほとんど [2D Navigation] の表示である。ただし、アルカリ乾電池の使用では編者のような林道主体の走行では 4時間程度しか持たなかった(2006年1月追記)。SANYO製の 2700mAh Ni-MH を使用した場合、充電直後では 17.5時間、充電後 1週間後では 12.5時間、充電後 2週間ほど後では 8.5時間程度の使用時間となった。gigo さんの掲示板で2006年2月頃話題になったが、2700mAH Ni-MH は自己放電が激しいようである。衛星をロストすることはほとんどなくなったが、ファームウェアに依るのか著しく離れた座標を表示することも多くなったように感じる。コストがかかり、アンテナの設置とケーブルの取り回しに工夫が必要なこの組み合わせは他人にはあまりお勧めできない。むしろ、Geko 301 を肩上へ設置する方法が低コストでしかもお手軽だと思う(2006年4月追記)。
- Garmin eTrex Venture の場合
CRM80 に搭載する場合に RAM 社のマウントを選択した。ライトスタッフから Garmin eTrex Venture と共に購入した。かなり大柄だがセッティング自体は簡単で、GPS 本体の取り外しも容易である。ハンドルへの取付けはU字型のボルトによって行う。使用しているセルフロックナットの二面幅が 11mm7/16インチという変わったサイズであり、メガネレンチでは回し難かったのでスパナを使用した(形状についてはライトスタッフに図面がある)。ハンドルのクロスバーより前方に GPS を設置できるのも安全上好ましいと思う。未舗装路を走行しても振動の影響は少なく、Garmin GPS Ⅲ+ のような電源断は起きたことはないから電池運用でも充分運用が出来る。
カシミール3Dを使うようになって、詳細な走行記録を残したいと感じ、そのためには1秒間隔で記録できるようなロガーを導入しようと考えた。今までは GPS Ⅲ+ のログの記録法の項で述べたように本体のみで軌跡を保存していたが、その場合はデータが間引かれてしまうし高度情報は記録されない。また、わざわざ軌跡を保存するために停止して操作するのは手間である。市販のロガーといえば株式会社システムプロデューサアソシエイツで取扱っている DL1 があるが、大変高価である。そこで調べてみると gigo さんのページにある GPS TRACK LOGGER for WonderWitch というソフトがあることが判った。これは WonderSwan の使用の項でも述べるが、元々中村浩明さんの開発された GPS から WonderSwan へトラックログをダウンロード、PCへアップロードするツール集があり、これに触発された gigo さんが、ロガーに特化して作成したソフトである。
Garmin GPS Ⅲ+ をバイクで使用する場合、視認性も操作性も優れているが、電源供給の必要があり、バッテリーレスである CRM80 の場合には事実上装着不可であるのが残念であった。軽量な Garmin eTrex Venture と WonderSwan を組み合わせれば容易に走行記録を残すことができることになる。実際の使用法は WonderSwan の使用の項を参照のこと。
- Garmin Geko 301 の場合
Monster S4に搭載するために上の写真のようなマウントを自作した。Geko 301 は 96g と軽量なので 1.5mm厚のジュラルミン板で充分と判断した。底面の出っ張りに合わせて板を曲げ、更にスポンジを張った。マウントはバイクのバックミラーの取り付けネジに共締めしてある。Garmin 純正コネクタで ePlug でもコネクタが抜け易いのでゴムバンドで留め、Geko 301 本体が外れないようにタイラップで固定してある。
デイパックの肩ベルトに Geko 301 を固定した例である。Geko が入っているのは SONY のハンディ GPS レシーバー PCQ-HGR1S 用のケースである。幅はぴったりだが、長さは 3cm ほど余る。編者は使用したことはないが、株式会社システムプロデューサアソシエイツが販売しているエンペックス社製の専用キャリングケースはぴったりのようである。
上で紹介した方法はは全てハンドル付近に GPS を設置しているので、どうしても自分自身の身体が電波を遮り、受信状態を悪くしがちである。天空の見通しの良い高速道路などでは差はあまり出ないが、このように肩上に設置して少しでも受信状態を良好に保つようにすれば天空の見通しの悪い林道などで記録した軌跡には大きな違いが出る。ライトスタッフのページにあるGPSの保持方法による感度の違いも参照の事。
- GPS on Bike FAQ
こちらハンディGPS をバイクへ搭載する場合の FAQ集を作成した。参照されたい。
- Garmin GPS Ⅲ+ の場合
HP200LXの使用
今更ヒューレットパッカード社の傑作 PDA HP200LX について説明する必要はないだろう。2001年現在では生産中止の為、市場在庫もしくは中古でしか入手の方法はない。160 X 86.4 X 25.4 mm のコンパクトなボディは単三電池2本込みでも 312g という軽量で、反射型モノクロ液晶ディスプレイは屋外での使用には最適である。RS-232C ポートも内蔵しているので、別売の F1015A ケーブルを利用すれば Garmin GPS Ⅲ+ と接続も容易である。バイクへの搭載の項でも述べた電源コネクタを持つ HP200LX と GPS Ⅲ+ の接続ケーブルは、この F1015A ケーブルをライトスタッフに郵送して製作してもらった。
Track の転送には GARDOWN を、また地図の表示には LXGPS を利用している。これらのソフトの利用には MS-DOS の知識が必要で、また操作性も GUI になれた方にはかなり難しいと言える。しかし、全ての操作はキーボードで行えるので、慣れればかえって快適に操作が可能となる。
CASIO A-60の使用
CASIO A-60 は 185 X 94 X 24.5mm のボディで 430g という比較的軽量なマシンである。またバックライト内蔵のモノクロ液晶ディスプレイは屋外での使用でも問題無い。このマシンもRS-232C ポートも内蔵している。バイクへの搭載の項でも述べた電源コネクタを持つ A-60 と GPS Ⅲ+ の接続ケーブルは、ライトスタッフから購入した。A-60 側のコネクタはライトスタッフで在庫しているので、各ケーブルの長さを指定すればよかった。
各データの転送、地図表示の可能な GarmapCE を利用するか、NMEA Monitor CE に IncrementP社 の MapFanCE2000 を組み合わせて使用している。 GarmapCE の場合、地図には ProAtlas98 に Yuzuru Goto 氏のページの GMCERD を利用して使用している。
CASIO E-65の使用
単に地図表示だけにとどまらず、ロガーとしての使用も考えて、CASIO の Palm-size PC E-65 を導入した。バイクに搭載して使用するためのパワーデータケーブルの自作の記録はE-65 と GARMIN との接続ケーブル製作を参照のこと。左の写真はバイクを停止した状態で、GPS Ⅲ+ に E-65 を接続し、現在位置を表示させたものである。
高機能だがその分重装備である。単にロガーとして使用するならば WonderSwan を使用した方が気楽である。ソフトは A-60 と同様にGarmapCE 又は、NMEA Monitor CE に IncrementP社 の MapFanCE2000 を組み合わせて使用している。
[詳細]
WonderSwanの使用
WonderSwan とは株式会社バンダイの携帯ゲーム機である。白黒液晶のものとカラー液晶のものがあり共にバックライトは内蔵されておらず単3電池1本で白黒液晶ならば連続30時間、カラー液晶ならば連続20時間稼動するスペックを持つ。参照したページで知ったのだが、WonderWitch という開発環境が用意されており、自分でプログラムを作成し動作させることができる。また、シリアルポートを持っているから GPS と接続することも容易である。
2002年1月現在販売されているのはカラー液晶のものだけだが、白黒液晶のものが中古市場で安価に入手可能である。バックライトこそ内蔵されていないが、日中の屋外の使用では画面は見易く、また電池の持続時間も驚異的に長い。何よりも電池なしで 93g という軽さが携帯性を高めている。ハンディ GPS をバイクに装着する場合にはハンドル付近に設置することが多いと思われるが、WonderSwan の軽さはハンドリングにほとんど影響を与えないのが嬉しい。
左の写真はハンドルのクロスバーにラフ&ロード社製のツインPASポーチ(RRー5693)(ただし携帯電話ホルダーは外してある)を装着し、Garmin eTrex Venture と WonderSwan を接続したところである。このポーチには丁度 WonderSwan が収まり、衝撃を吸収するクッションも内蔵されているので安心である。
右の写真はサンワサプライの PDAネックケース PDA-HH2BK に WonderSwan を収納したものである。ケースが透明なので画面を見ることができるが、衝撃を吸収するようなものはない。またキー操作をしようとしても WonderSwan の場合一つのキーだけを押すことは不可能である。
左の写真はタンクバックにGarmin eTrex Venture と WonderSwan を収めたものである。GPS TRACK LOGGER for WonderWitch は日々改良が続けられていて Ver.0.24 から写真のような縦置き表示が可能となった。編者の使用しているタンクバックは小型なのでこのように収めると都合が良い。例えば Garmin を Trip Computer 画面、WonderSwan を軌跡表示画面にしておくというように、2画面分使えるようになるので一層便利になった。
しかし、この状態だと直射日光によってハンディGPS がかなり過熱され電源断が生じる事があった。マップケースで使用する場合には注意されたい。また、GPS on Bike FAQの「高温下で利用時に外部電源断と表示される。」の回答を参照のこと。
[接続の詳細]
左の写真は eTrex Venture と WonderSwan を収納したサンワサプライの PDAネックケース PDA-HH2BK を RAMマウントに装着して TT250R のハンドルのクロスバーに装着したものである。
[接続の詳細]
左の写真は GPS Ⅲ+ を Touratech(Tourtek)製マウントに装着し、WonderSwan を収納したサンワサプライの PDAネックケースと共に TT250R のハンドルのクロスバーに装着したものである。
[接続の詳細]
左の写真は Geko 301 を オリジナルマウントに装着し、WonderSwan を収納したサンワサプライの PDAネックケースと共に Monster S4 に装着したものである。タンクバックに装着した場合より少しでも前に GPS のアンテナがあった方が、人間の身体が電波を遮る事が少なくなる。実際、タンクバックに装着した場合よりも軌跡の乱れは少なくなる。詳細はライトスタッフのGPSの保持方法による感度の違いを参照のこと。
左の写真は Foretrex 101 と WonderSwan を収納したサンワサプライの PDAネックケースと共に TTーR125LW ハンドルのバーパッドに設置したものである。この設置法ではバーパットの本来の機能を果たしていないので安全上はあまり勧められないが、マウントを用いることなく GPS 単体で設置できるので試してみる分には簡単でいいだろう。Foretrex 101 と WonderSwan の接続にはライトスタッフ製の FW-700 を使用した。
- WonderSwan と GARMIN との接続方法
WonderSwan と GARMIN との接続方法については eTrex Venture 通信ケーブル編、eTrex Venture 電源付き通信ケーブル編、GPS Ⅲ+ 電源付き通信ケーブル編を参照のこと。
ライトスタッフでは、2002年11月中旬より eTrex系との接続ケーブル、2002年12月上旬より GPS2+系との接続ケーブルの販売している。自作が面倒な方は利用されると良いだろう。長さの指定も可能で、WonderWitchプレーヤーとのセット販売もある。(Fore系の接続ケーブルも販売されている。:2006年10月追記)
- gar2ws シリーズ
中村浩明さんの作成された WonderSwan と Garmin を接続してトラックの保存などを行うツールシリーズ。機能別にプログラムが分かれていて使い易い。
プログラム名 機能 gar2ws Garmin から WonderSwan へトラックのダウンロード gar2wsu WonderSwan から PC 上のソフトへトラックのアップロード。これは WonderSwan があたかも Garmin の振りをするものである。 gar2wsv WonderSwanへダウンロードしたトラックログの簡易ビューワ 他にもツールはあるが、編者が利用しているもののみ列挙した。使い方は極めて簡単なので特に説明の必要はないと思う。
GPS TRACK LOGGER for WonderWitchは常時 WonderSwan と Garmin を接続する必要があるが、gar2ws はトラックをダウンロードしたい時だけ接続すればよいので、電池の残量が気になる場合やどうしても WonderSwan を常時接続出来ない場合にはこのツールを使うのが便利である。また、GPS TRACK LOGGER for WonderWitch を使用中に WonderSwan の電源が落ちてしまった場合にも、毎秒毎でのデータではないが、Garmin 内部のトラックを WonderSwan に転送できるから、このソフトを緊急用としてインストールしておくべきである。
gar2wsu を使えば任意の PC上のソフトへトラックを直接アップロードできるはずだが、編者の環境では上手く転送できないことがあった。これはハードウェア的な問題かソフトウェア的な問題か切り分けが出来ていないので何が原因かわかっていない。しかし、WonderSwan に保存したトラックを WonderSwan と Garmin との接続のページで述べたような方法で PC に転送できるのでこれは大きな問題ではない。
- GPS TRACK LOGGER for WonderWitch
gigo さんの作成された GPS と WonderSwan を接続し時間、緯度、経度、高度を記録するツール。日々開発が続けられている。GPS も Garmin のみならず NMEA フォーマットも記録できるが、編者はもっぱら Garmin eTrex Venture を接続して使用している。その特徴は既にロガーの使用で述べたが、記録するための複雑な操作はまったく必要なく、ただ接続してツールを動かしておけば良いという簡便さがユーザーには大変嬉しい。
カシミール3D と GPS TRACK LOGGER for WonderWitch を用いてツーリングを記録する方法についてはカシミール3Dを用いたツーリングの記録方法のページを参照のこと。
- GPS TRACK LOGGER for WonderWitch の使用法
GPS TRACK LOGGER for WonderWitch の使用法についてはGPS TRACK LOGGER for WonderWitch の使用法のページを参照のこと。
- GPS TRACK LOGGER for WonderWitch の改造
GPS TRACK LOGGER for WonderWitch の改造についてはGPS TRACK LOGGER for WonderWitch の改造のページを参照のこと。
- WonderSwan と GARMIN との接続方法