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AXELA(BKEP)

このページでは AXELA(BKEP) に関する話題について記述する。本ページのスペックは 20C EC-AT のものである。


  1. MZR LF-DE型ガソリンエンジン

    MZR型エンジンとは新たなブランドメッセージ「Zoom-Zoom」を掲げていた頃(参考ページ [1])、初代 AXELA (BK)、ATENZA (GG)、2代目 DEMIO (DY) に搭載された新規開発エンジン群である。参考ページ [2]によるとマツダが開発をリードし、フォードグループの中で年間150万台が生産されるグローバルエンジンである L型エンジン(参考ページ [13])は 2.3L、2.0L、1.8L の排気量があり、1.8L のボアアップ版が 2.0L、2.0L のストロークアップ版が 2.3L となる。AXELA にはこの内、2.3L と 2.0L、更に後述の Z型(参考文献 [7]) 1.5L が搭載された。L型のシリンダーブロックはアルミニウム製のクローズドデッキ、ディープスカート型(用語は LANTIS のページの参考ページ[6][7]参照)で、コスワース式鋳造法で製作された。この鋳造法はコスワースがレーシングエンジンに用いてきた巣を生じさせにくい独自の鋳造法で、砂型を用いた鋳造だが、一般的な方法である型の上から溶湯を流し込むのではなくポンプを使って下から溶湯を送り込み溶湯注入後に鋳型を回転させてから冷却速度のコントロールで組織を均質化する(参考文献 [6][9])ものらしい。一方、参考文献 [7]によると DEMIO (DY) に搭載された Z型エンジンはマツダが従来からもつダイキャスト技術を用いたようだ。

    BP-ZE型エンジンとは異なり、前方吸気、後方排気が L型エンジンの特徴の一つである。これは触媒までの距離を短縮化し、触媒の早期活性化を実現するため(参考文献 [10])である。その他、シーケンシャル・バルブタイミング (S-VT、2.0L 除く)、タンブル・スワール・コントロール・バルブ (Tumble Swirl Control Valve, TSCV)、可変吸気システム (Variable Induction System, VIS) 等の吸排気系の改善によって、全域で爽快な加速感が満喫できるトルクフルな走りを実現したとしている(参考ページ [5])。参考文献 [11]によると低速時の吸気流速向上と高速時の吸気流量確保を両立させるため TSCV をインテークマニホールド根元に配置し、各回転域で最大限吸気脈動を利用して吸入空気量を増加させるため VIS を付加した、とある。タンブルシリンダ軸に沿うような縦方向の旋回流スワールシリンダ軸まわりの旋回流で燃料と空気の混合を促進するために回転数や負荷に応じて TSCV を開閉させるようだ。参考文献 [12]によると VIS では吸気マニホールド内のバルブを 4,500rpm付近で電子制御によって開閉し、低中速回転域では管長を長く、高回転域では短くコントロールして吸気マニホールドの実質的な長さを変えている。

    編者にとっては、LANTIS の 1.8L より排気量が拡大したことで長距離の移動が楽になったことが利点だった。高速道路での追越し加速も問題無く、どの回転数でもレスポンスに優れたエンジンだったと思う。また、後で示すが排気量が大きくなっても燃費が向上したのが嬉しかった。乗っていた当時は意識しなかったのだが、改めていくつかの文献を読むと、混合気を如何にシリンダー内に押し込むかは当然として、押し込んだ混合気を如何にきちんと燃焼させるかチャレンジしていた時期なのだと思う。また、FAMILIA という名称を捨ててでも新しいエンジンの開発にエネルギーを注いでいたことが分かった。

    型式LF-DE
    種類水冷直列4気筒DOHC16バルブ
    総排気量 / L1.998
    ボア×ストローク / mm87.5×83.1
    圧縮比10.0
    燃焼室ペントルーフ型
    バルブ挟み角 / 度39
    最高出力 / kW〈PS〉/ rpm110〈150〉/ 6,500
    最大トルク / N・m〈kgf・m〉/ rpm183〈18.7〉/ 4,500
    燃料供給装置電子制御燃料噴射
    使用燃料・タンク容量 / L無鉛レギュラーガソリン・55

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  2. トランスミッション

    電子制御4速アクティブマチックは従来技術の改良で、変速応答時間が短くなったのと降坂&登坂時の変速制御機能をプラスしたもの(参考文献 [8])で、速度も考慮してアクセルを緩めても条件によってはシフトアップさせず、また必要に応じてシフトダウンする。Dレンジから右にレバーを移動するとマニュアルモードとなり、前に押してシフトダウン、後に引いてシフトアップとなる。シフトゲートはスタッガード式が採用されていた。アクティブマチック自体は 1998年6月に発売された 9代目 GJ型 FAMILIA S-WAGON に対して 1999年8月に追加したグレード SPORT20 に初めて搭載された(参考ページ [14])。この時は Dレンジから左にレバーを移動するとマニュアルモードとなり、前に押してシフトアップ、後に引いてシフトダウンだった。ところが、2002年5月に発売された ATENZA では Dレンジから左にレバーを移動してマニュアルモードになるのは同じだが、前に押してシフトダウン、後に引いてシフトアップに変更された。これは同年 8月に発売された DEMIO でも同様だった。しかし、2003年10月に発売された AXELA では前述のようにマニュアルモードは右にレバーを移動する形式に変更された。これ以降発売された車種では同じ操作体系となっている。

    マニュアルモード付き AT は 1994年に発売された三菱自動車 FTO の INVECS-Ⅱが日本初である(参考ページ [15])。この時は Dレンジから左にレバーを移動するとマニュアルモード、前に押してシフトアップ、後に引いてシフトダウンで S-WAGON と同じである。参考ページ [16]によると 1991年に発売された PORSCHE 911 Type964 に搭載された TIPTRONIC が運転手から遠ざかる即ち右にレバーを移動してマニュアルモードとなりシフトアップ、シフトダウンの方向が同じだから、これに倣ったのかも知れない。これを記している 2024年9月現在ではシフトアップ、シフトダウンの方向はメーカー間で統一されておらず、参考ページ [17]にあるように同じメーカーでも車種によって異なるのが現状のようだ。検索すると前に押してシフトダウンとするのはレーシングパターンと説明しているページが多い。レーシングカーのシーケンシャルシフトが最初から前に押してシフトダウンだったかというとそうでもない。参考文献 [18] に示す JTCC に参加していた頃のシーケンシャルトランスミッション搭載の LANTIS の記事中に「迷ったら押す」という記述があり、当時導入され始めたシーケンシャルシフトの操作に迷ったら、押してシフトアップすればオーバーレブさせない、という意味だからだ。ただし、同文献の別記事中には同じトランスミッションを搭載するコロナでは押すとシフトダウンと説明しており、どちらのメーカーも現在とは逆向きなのが興味深い。参考ページ [19]に国内外各メーカーのシフトパターンが掲載されている。マニュアルモードに切替えるのに運転席側か助手席側かについても各メーカーでポリシーがあるのかどうか分からない。

    編者はこのマニュアルモードが搭載されたからこそ乗り換えたので、積極的に利用した。確かに従来のオートマチックトランスミッションよりかは変速速度が速くなったが、4速では第1速が発進時以外には使えず、第4速がオーバドライブだから、事実上第2速と第3速を切り替える位しか使えなかった。参考ページ [20]に示されているようにマイナーチェンジで 5速化されたのは悔しかったが、乗り換えるにはまだ走行距離が少なかった。変速制御機能をプラスされて無意味なシフトアップは減ったと思ったが、積極的にシフトダウンしたかどうかについては余り記憶が無い。

    変速比
    (第1速/第2速/第3速/第4速/後退)
    2.816/1.497/1.000/0.725/2.648
    レシオカバレッジ3.884
    最終減速比4.147

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  3. 燃費

    AXELA 20C の燃費(km / L)を以下の表に示す。この車を所有していた時期の後半即ち、4.2万kmから 9.1万km まで 47ヶ月間満タン法で燃費を記録してきたが、平均値が 10.34、最大値が 14.21、最小値が 6.92 だった。最大値は高速道主体の際の値で LANTIS の燃費と比べると 2割程度向上した。車重も排気量も増えたのに燃費が向上したのは、それだけ省燃費技術が進んだということか。この記事を書くために様々なページ、文献を読んだが、省燃費のためには効率の良い吸排気の実現、混合気の完全な燃焼を目指して地道に改善していることを感じた。エンジンの省燃費技術は分かり易いし、多分にその寄与は大きいのだろうか、改めて振り返るとオートマチックトランスミッションの効率改善も少しずつ進化していて、これの寄与もあるのだと思う。

    10・15モード13.8
    車両重量 / kg1,230

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  4. 参考ページ、文献

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