スペック
ディーゼルエンジン車(XD)とガソリンエンジン車(15S)に搭載される各エンジンのスペックを以下の表に示す。いずれも 2022年モデル 2WD(FF) 電子制御6速オートマチック(スカイアクティブ・ドライブ)のデータである。年式、駆動形式、トランスミッションタイプによってタンク容量が異なることに注意。6MT仕様 では220〈22.4〉/1,400-3,200 となり、若干高回転よりの特性になっていると思われる。ディーゼルエンジンの低圧縮比化、ガソリンエンジンの高圧縮比化によってどちらも 14 という値近くになっているのが面白い。最高出力に大きな差は無いが、最大トルクがディーゼルエンジンはガソリンエンジンの約1.8倍、かつその回転数が2000回転前後という低回転数領域であるのが特徴である。
型式 S5-DPTS P5-VPS 種類 水冷直列4気筒DOHC16バルブ 直噴ターボ 水冷直列4気筒DOHC16バルブ 総排気量 / L 1.498 1.496 ボア×ストローク / mm 76.0×82.6 74.5×85.8 圧縮比 14.8 14.0 最高出力 / kW〈PS〉/ rpm 77〈105〉/ 4,000 81〈110〉/ 6,000 最大トルク / N・m〈kgf・m〉/ rpm 250〈25.5〉/ 1,500-2,500 142〈14.5〉/ 3,500 燃料供給装置 電子式(コモンレール) 筒内直接噴射(DI) 使用燃料・タンク容量 / L 軽油・44 無鉛レギュラーガソリン・48 エンジンシステム
マツダ技報よりエンジンシステムの構成図を引用する。SKYACTIV-D のスペックの項目で述べたように 2.2 と異なり、シングルの可変ジオメトリーターボチャージャー(Turbocharger with Varialble Turbine geometry)と高圧(Hith Pressure)と低圧(Low Pressure)を併用した EGR(Exhaust Gas Recirculation) としている。前者は主にコストとスペースの問題の解決のため、後者は LP-EGR では EGR 増量によって NOx を低減した場合においても、過給圧と吸気温度がほとんど変化せず、HP-EGR と比較して充填量が大きくなる分、比熱比を高くすることができ、吸気温度が低く保てるので冷却損失の抑制にも有利であるためとされる。また、LP-EGR システムでは一般に、長い EGR 経路でのガス交換に伴うレスポンスの遅れ、および EGR ガス中の水蒸気が冷却されて生じる凝縮水の問題が懸念されるので高機能化した水冷式インタークーラ一体式の樹脂製インテークマニホールドによってこれらの問題を対策している。これにより 2.2 の別体式の空冷インタークーラシステムと比べてガス経路を大幅に短縮してガス交換のレスポンスを確保している。これもスペースの問題の解決に役立っている。発生した凝縮水はアスピレータ機構によって強制的にエンジン筒内に噴霧状に吸引することで対処している。燃料噴射装置は 1.5 のみソレノイド駆動となっており、これもコストが大きな理由と思われる。ターボチャージャーについては回転センサによってターボチャージャの回転数をセンシングして細やかに燃焼を制御することで従来よりも 12000rpm 以上も回転限界を高めることが可能となったとあり、低中速域を重視しながら高回転側 5200rpm までリニアなトルク特性を実現している。
DOC: Diesel Oxidation Catalyst
DPF: Diesel Particulate Filter燃費
ディーゼルエンジン車(XD)とガソリンエンジン車(15S)に搭載される各エンジンの燃費(km / L)を以下の表に示す。いずれも 2022年モデル 2WD(FF) 電子制御6速オートマチック(スカイアクティブ・ドライブ)、グレードが Proactive S Package のデータである。駆動形式、トランスミッションタイプ、車両重量等によって各値は変わることに注意。
型式 S5-DPTS P5-VPS WLTCモード 21.6 20.3 市街地モード(WLTC-L) 18.1 16.5 郊外モード(WLTC-M) 21.3 20.4 高速道路モード(WLTC-H) 23.8 22.5 JC08モード 24.2 21.8 車両重量 / kg 1,150 1,090 参考ページ
- 2021.6.24 MAZDA2諸元表(2021年5月時点)
- 2015年マツダ技報 小排気量クリーンディーゼルエンジン SKYACTIV-D 1.5の開発