F750
2カメラモデルである THINKWARE F750 の、前後2カメラ、記録解像度 FHD、Wi-Fi、GPSアンテナ装備、WDR というスペックは、記述している 2022年10月現在では凡庸である。流行の STARVIS 対応モデルでもない。しかしながら大きな欠点も無い比較的画質の良いモデルである。記録画素数が 4K を謳うモデルは夜間の記録に難がある場合もあり、現時点でリプレースするほどではないと判断して AXELA(BL) から移設した。移設にあたりメモリーカードを交換し、編者の環境では SanDisk 高耐久カード 128GB SDSQQNR-128G-GN6IA が動作している。AXELA (BL) で UPS300 用に作製した回路を用いずにシガーソケットで常時電源ケーブルを用いて動作させるには、ACC線と BAT線に 12V の給電が必要である。
CS-360FH
前後 2カメラ体制での側方という死角を補うために AXELA(BL) では HDR360G を設置した。これは円周魚眼レンズを用いて記録解像度 1856×1856、垂直視野角240度で WDR搭載が特徴だった。コムテックはこのモデルを更に小型筐体とし、リアカメラを追加したモデルを投入した。円周魚眼レンズの場合、詳細な情報を記録するためには更なる記録解像度の大幅な増大が必須であること、レンズ中心付近の映像は解像度が高くても車外の記録に殆ど役に立たず、逆に肝心の車外の映像は解像度の低いレンズ周辺の映像となること等が理由で新たなモデルの導入を検討した。2021年12月に発売されたユピテル Y-3000 は前方、後方に加え車内用カメラを車体後方から前方に設置するモデルで、車内用のカメラが側方も記録する。駐車監視用の専用ケーブルとユニットを含めると結構高額になるし、F750 を含めてリプレースする気にはなれなかった。2020年7月に水平視野角 188.6度のカメラを 2つ装備した セルスター CS-360FH が発売された。これは前後の視界をそれぞれ FHD で記録し 360度の視界の記録を可能にしている。円周魚眼レンズの場合と異なり、前後のレンズ毎に露出を設定できるのが利点である。また専用ビュアーを用いると前後のレンズで記録した動画を合成して、任意の方向の映像を表示(パノラマビュー)することが可能である。その後リアカメラを追加したモデルが発売されたが、今までと同様に前後2カメラモデルのサブの 360度カメラと位置付け、リアカメラの無いこのモデルを選択した。
今まで設置したドライブレコーダーと異なり、GPSアンテナを内蔵したマウントのステーに筐体がぶら下がる形式である。この形式はガラス面からの出っ張りが大きいので視界に入って気になってしまう。しかしながら、設置後に方向の微調整が容易な利点もある。また、1.44インチの液晶画面を持ち単体で記録した動画の確認、各種設定が可能である。CS-360FH は 3ボタン、HDR360G は 4ボタンに 2.4インチ液晶という違いがあり、各種設定画面では HDR360G の方が操作し易い。CS-360FH には専用ケーブルを用いた駐車監視モードがあるが、その際解像度が D1(736×480) に落とされてしまうのは改善の余地があると思う。
class10、UHS-1以上推奨で 64GB までのメモリーカードに対応している。メーカは独自のファイルシステム適用によるメモリーカードのメンテナンスフリー化を謳っている。編者の環境では Transcend 非高耐久カード 128GB TS128GUSD300S-AE と高耐久カード 64GB TS64GUSD350V-E が動作している。未使用のカードを装着して電源を入れるとフォーマットを促され、各種設定は初期値に戻ってしまった。取扱説明書の「故障かな?と思ったら」にその旨記載がある。また、画像モードを変更するとファイルシステム再構築のためにフォーマットされるので注意したい。
動画は前後の映像を上下に配置して記録されるので、任意の動画ビュアーで閲覧可能である。セルスターが言うところのパノラマビューは PC用の専用ビュアーが必要である。HDR360G もそうだったが、スマートフォン用のアプリがあれば良いと思う。