はじめに
編者の選定理由が腕時計型でバイクの走行記録ができるバッテリー持ちの良い機種なので、当初は健康管理の機能についてはほとんど意識していなかった。ところが実際に使用してみると Garmin Elevate光学式心拍計、血中酸素トラッキングを用いた心拍数の記録と睡眠モニタリング機能、 Boddy Battery表示が面白く、むしろこれらの機能をメインに使用するようになったので、GARMIN の製品紹介ではスマートウォッチとなっていてもフィットネストラッカーと呼ぶ方が良いかも知れない。24時間計測するためにはバッテリー持ちが重要である。タッチパネルの無い、解像度が 176×176 の MIP(Memory In Pixel) 液晶モノクロディスプレイが相当消費電力低減に貢献しているようで、土日の各午前中にバイクの走行軌跡を記録しても 1週間のバッテリーの消費量は少ない。このモノクロディスプレイの日中屋外での視認性は極めて優秀で、バックライトが点灯していなくても全く問題ない。操作は 5つのキーで行ない、グローブをしたままでも操作性は良好である。スマートウォッチの機能として需要のある通知機能、音楽再生機能、決裁機能等を編者は全く必要としないので、それらの情報はこのページでは扱わない。なお、日本語フォントが美しくないので普段は英語表示で使用している。英語表示でも例えばカレンダーや通知は日本語で表示される。本ページでは英語表記を標準として説明する。
基本的なキー操作
状況に応じて各キーの意味が変わるが、基本操作は以下の通りである。表示されている項目を選択するには GPSキー短押し、表示されている画面から前の画面に戻るには SET(BACK)キー短押し、スクロールするためには MENU(UP)キーと ABC(DOWN)キー短押し、その画面のメニューを表示させるには MENUキー長押し、である。Instinct シリーズの特徴である 2ウィンドウデザイン(two-window design)で右上の丸の中には今表示されている内容のアイコンや選択肢等が表示される。
ウォッチフェイス(英語表示では Watch face)画面でウィジェット(英語表示では Glances)を表示させるには MENU(UP)キーと ABC(DOWN)キー短押し、それぞれのウィジェットを選択するには GPSキー短押しする。アクティビティを選択するには GPSキー短押し、バックライトを点灯させるには CTRL(LIGHT)キー短押し、CTRL(LIGHT)キー長押しは Controls Menu(コントロールメニュー)表示、MENU(UP)キー長押しはデバイスの機能の設定画面である。
GPSキー、ABC(DOWN)キー、SET(BACK)キー長押しは Hot Keys (ショートカット) として変更可能だが、デフォルトで設定されている機能がアウトドア仕様らしく使い易いので変更していない。
機能と設定
2025年8月現在では、日々の健康管理の記録をメインに週末にバイクの走行記録する、という使い方である。バイクの走行も土日の各午前中だけだから長時間ではないが、電力消費はできるだけ少なくしたい。普段も無駄な電力消費は抑えたい。バイクの走行軌跡はできるだけ正確に記録したい。以上の条件に沿った編者の設定を以下の表に示す。基本的な使い方の項目に書いたようにウォッチフェイス画面で MENUキー長押しはデバイスの機能の設定画面となる。一般的に位置精度と電力消費は背反の関係であり、精度を優先すると電力消費が増え、電力消費を減らすには精度が犠牲となる。この機種は位置精度を保ちつつ電力消費を抑える技術として SatIQ を搭載しているので「Auto Select(自動選択)」を選択している。この表に無い設定として、スマートフォンとの連携機能はデータ転送時以外は必要無いから、Bluetooth はオフにしている。電力消費を抑えるためにウォッチフェイスでの頻繁な画面書換えは好ましくないが、時計としての機能を優先して秒表示のあるウォッチフェイスを用いている。
System
(システム)Backlight
(バックライト)During Activity
(アクティビティ実行中)Brightness
(バックライトレベル)5% 5%,10% - 100%(10%毎) General Use
(通常時)Brightness
(バックライトレベル)5% During Sleep
(睡眠中)Brightness
(バックライトレベル)5% Sleep Mode
(睡眠モード)Schedule
(スケジュール)毎日 23:00 - 7:00 1分毎、曜日別に設定可能 Satellite
(GPS)Off
GPS Only
All Systems
All + Multi-Band
〇 Auto Select
UltraTrac(注1)オフ
GPS
マルチGNSS
マルチGNSSマルチバンド
自動選択
UltraTracData Recording
(データ記録)Frequency
(頻度)〇 Smart(スマート)
Every Second(毎秒)Log HRV
(心拍変動記録)〇 On(オン)
Off(オフ)Health & Wellness
(健康&ウェルネス)Heart Rate
(心拍)Status
(ステータス)〇 Auto(自動)
Off(オフ)Blood Ox Mode
(血中酸素モード)Manual Check(手動)
〇 During Sleep(睡眠中)
All Day(終日)Sleep Mode(睡眠モード)のSchedule(スケジュール)が電力消費に影響 【注1】^ UltraTracは軌跡点数とセンサーの記録頻度を少なくするモード
以下の各項目にある Glances、Hot Keys、Controls Menu を設定すると便利に使える。詳細を以下のリンクに纏めた。
Glances
Glances は日本語表示ではウィジェットである。ウォッチフェイス画面で UPキーと DOWNキー短押しで表示させると、スマートフォンのホーム画面に表示可能なものと同様にその Glances の値、例えば Heart Rate ならその心拍数とアイコンが表示される。さらに GPSキー短押しで詳細が表示される。複数の Glances を Folder(フォルダー) にまとめることができて、デフォルトでは HEALTH FOLDER に健康関係の Glances が纏められている。各 Glances で複数の画面がある場合には UPキーと DOWNキー短押しでスクロールできる。Glance によっては GPSキー短押しでその Glances の Insight や説明、設定が表示されたり、MENUキー長押しでその Glances のオプション等が表示される。Insight とは例えば Garmin Connect で Body Battery、HRV Status(HRVステータス)、Sleep(睡眠) の項目を選択した際に概要に表示される内容に相当し、講評とでも訳せば良いのだろうか、日本語表示でも訳語が無い。Glances の追加、削除、順序変更はウィジェットを表示し一番下の Edit(編集) を選択すると可能となる。
選択可能な表示について以下のリンクに纏めた。このページは後の Hot Keys、Controls Menu の項目の機能と共通である。
Hot Keys
Hot Keys は日本語表示ではショートカットである。1つのキーもしくは2つのキーの組合せに機能を設定することができる。MENUキー長押し「System(システム)」「Hot Keys(ショートカット)」で割当て画面となる。以下の表はデフォルトで割当てられている機能を示す。2つのキーの組合せの 4種類は未設定となっている。GPS とは現在位置を表示する画面となる。編者は毎日の通勤と退勤時に建物を出た所でこの画面を見ることにしている。何なればそれで衛星の軌道情報を取得可能だからだ。この画面で GPSキーを押すと位置を保存することができる。SET はアラーム、タイマー、ストップウォッチ他を設定する画面となる。ABC はAltimeter、Barometer、Compass の略で高度、気圧、方向を表示する画面となる。
編者は BACK + LIGHT に Screen Shot(スクリーンショット)を割当てている。キャプチャした画像は本体の Garmin\SCRNSHOT フォルダに保存され、PC と USB を介して接続すると該当フォルダを閲覧できる。いわずもがなだが、該当フォルダ以外のファイルを削除すると動作に支障をきたすので注意したい。
選択可能な機能について以下のリンクに纏めた。このページは前の Glances と次の Controls Menu の項目の機能と共通である。
Keys キー Function(機能) Hold GPS GPS長押し GPS Hold BACK BACK長押し SET Hold DOWN DOWN長押し ABC GPS + DOWN GPS + DOWN None GPS + UP GPS + UP None BACK + LIGHT BACK + LIGHT None BACK + UP BACK + UP None Controls Menu
Controls Menu は日本語表示ではコントロールメニューである。任意の画面で CTRL(Light)キーを長押しして表示される円形に並んだメニューで UPキーと DOWNキーでスクロール、GPSキーで選択する。左に編者の設定しているメニューを示す。右上の丸の中に今選択しているメニューのアイコンが表示される。この画面は Phone(スマートフォン)を選択した場合で、Bluetooth がオフなのでアイコンに斜めの線が重なっている。この状態で GPSキーを押すと Bluetooth がオンとなり、この斜めの線が消える。中央部には状態が表示される。
選択可能な機能について以下のリンクに纏めた。 このページは前の Glances、Hot Keys の項目の機能と共通である。
参考ページ
- Instinct 3 Dual Power | スマートウォッチ | Garmin 日本
- Instinct 3 Dual Power 操作マニュアル日本語版
- Instinct 3 Dual Power 操作マニュアルEnglish (Hong Kong)版
- 健康管理のページの参考ページ